相続の初歩・キホン用語

ここでは、相続手続きの際に最低限知っておきたい用語や情報をご紹介します。

  • 被相続人とは、いわゆる亡くなられた方で相続の対象となる財産を残した人のことです。
  • 相続人とは、その相続対象の財産を受け取る側の人のことです。

法律(民法)で定められている相続人を法定相続人といいます。配偶者は常に相続人(配偶者相続人)になります。その他の法定相続人(血族相続人)には以下のとおりです。

  • 被相続人の子ども等の直系卑属 (第1順位)
  • 被相続人の親や祖父母等の直系尊属(第2順位)
  • 被相続人の兄弟姉妹(第3順位)   

 相続手続きを始めるにあたって「相続人の確定」作業はとても重要になります。なぜなら相続人でない者を加えた遺産分割協議」「相続人の一部を除いた遺産分割協議」は無効になってしまうからです。

苦労してようやく合意した分割協議を再び行なうことは、問題が複雑化して再合意できなくなってしまうケースも多々あるのです。

「相続人の確定」は戸籍を調べることで正確にわかるのですが、この作業は意外に面倒なもので専門知識も必要になります。相続人の確定には、関係する戸籍謄本類等の取り寄せや綿密な調査が必要になりますので、ご不安でしたら弊事務所までお問い合わせください。

法定相続分

相続については、被相続人の意思である「遺言」が最優先されるので、遺言で相続分を指定されているときは法定相続分に先立ってその遺言の内容が適用されます。しかし、遺言がない場合や遺産分割協議をしない場合には法定相続分により遺産が分割されることになります。

相続分割合については昭和55年に民法の一部改正され、配偶者の相続分割合が変更されました。(昭和56年1月1日施行)

<昭和55年12月31日以前に相続が開始している場合には現在の相続分割合と違い、以下のような相続分割合になりますので注意が必要です>

__sozai__/0012127.png「子供」と「配偶者」が相続人の場合(第1順位)

被相続人の子が相続人である場合は何代でも代襲相続されます。なお、配偶者には代襲相続権はありません。

  • 被相続人が昭和22年5月3日〜昭和22年12月31日までに死亡の場合
    配偶者が1/3、子どもが2/3の割合になります。
  • 被相続人が昭和23年1月1日〜昭和55年12月31日までに死亡の場合 
    配偶者が1/3、子どもが2/3の割合になります。
  • 被相続人が昭和56年1月1日〜現在までに死亡の場合
    配偶者が1/2、子どもが1/2の割合になります。
    この場合子どもが複数いるときはこの1/2を
    子供の数で均等に分けた割合となります。

__sozai__/0012127.png「直系尊属(父母)」と「配偶者」が相続人の場合(第2順位)

第2順位相続人である直系尊属は、最初に両親、両親が亡くなっていた時は祖父母、祖父母も亡くなっていた時は曾祖父母と上がっていきますが、養親があるときには「実親」と「養親」の全てが亡くなった場合、初めて祖父母が相続人となります。直系尊属には代襲相続権はありません。

  • 被相続人が昭和22年5月3日〜昭和22年12月31日までに死亡の場合
    配偶者が1/2、直系尊属が1/2の割合になります。
  • 被相続人が昭和23年1月1日〜昭和55年12月31日までに死亡の場合
    配偶者が1/2、直系尊属が1/2の割合になります。 
  • 被相続人が昭和56年1月1日〜現在までに死亡の場合
    配偶者が2/3、直系尊属が1/3になります。
    この場合も被相続人の父母がいる場合は
    その数で均等に分けます。

__sozai__/0012127.png「兄弟姉妹」と「配偶者」が相続人の場合(第3順位)

  • 被相続人が昭和22年5月3日〜昭和22年12月31日までに死亡の場合
    配偶者が2/3、兄弟姉妹が1/3の割合になります。
    この期間の
    兄弟姉妹には代襲相続の権利はありません。
  • 被相続人が昭和23年1月1日〜昭和55年12月31日までに死亡の場合
    配偶者が2/3、兄弟姉妹が1/3です。
    兄弟姉妹の直系卑属(甥・姪)は代襲相続人になります。再代襲がありますので、甥姪の子(姪孫、又甥、又姪)も代襲相続人になります。 
  • 被相続人が昭和56年1月1日〜現在までに死亡の場合
    配偶者が3/4、兄弟姉妹1/4になります。
    兄弟姉妹の直系卑属(甥姪)は代襲相続人になります。ただし現民法では
    再代襲はないので代襲相続人は甥・姪までになります。

代襲相続

代襲相続とは、本来ならば相続人になるはずだった子(または兄弟姉妹)が、相続の開始(被相続人の死亡)前に死亡しているときに、その子(または相続人になるはずであった兄弟姉妹の子)が代わりに相続することをいいます。

被相続人の子供が被相続人より先に亡くなっている場合、その子(孫)は相続人になるのです。孫もすでに亡くなっている場合は、ひ孫が相続人になります。直系卑属については被相続人から直線的にずっと何代でも代襲します。

このように直系卑属では再代襲によって相続権がありますが、直系卑属ではない配偶者の連れ子(被相続人と養子縁組していない場合)には代襲相続はありません。

兄弟姉妹が相続人になる場合で注意点!
特に
問題になるのが代襲相続です。この場合の代襲相続とは、相続人である兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている場合のことをいいます。兄弟姉妹に子供がいればその子供が相続人になります。被相続人からみれば甥・姪にあたります。さらに、この甥・姪も被相続人より前に亡くなっている場合、更に代襲相続になり、これを再代襲相続といいます。再代襲相続では既述通り、昭和56年1月1日を境にして扱いが異なります。 

__sozai__/0011814.gif 昭和55年12月31日以前に被相続人が亡くなった場合
再代襲によって被相続人の直系卑属であるひ孫と同様に甥、姪の子供にも相続権があります。

__sozai__/0011814.gif昭和56年1月1日以降に被相続人が亡くなった場合
兄弟姉妹の場合、甥・姪の子供には再代襲による相続権がありません。一般的に甥・姪の子と被相続人の関係は希薄だと思われるのでその相続する権利を保障する必要はなく、また相続関係が広範囲になることによる不利益を防いでいるのです。

  • 「相続欠格」や「相続廃除」に相続人が該当した場合では、その子供に代襲相続が認められます。
  • 相続人が「相続放棄」をした場合には、その子供には代襲相続は認められません。

__sozai__/0011814.gif養子縁組と代襲相続の関係

  • 養子縁組に生まれた子(連れ子)は直系卑属となりませんので代襲相続をしません。
  • 養子縁組に生まれた子については直系卑属となりますので代襲相続をします。

__sozai__/0011814.gif同時死亡の推定と代襲相続の関係

  • 同時に死亡した者の間においては「相続」は発生しません。例えば、父と長男が墜落した飛行機に同乗しており、その全員が死亡した場合には、父と長男は同時に死亡したことになり、長男は父の遺産を相続することはありません。
  • 一方、民法887条の2では「被相続人の子が相続の開始以前に死亡したときは、代襲相続が開始される」とされていますので、長男に子がある場合は、その子が長男に代わって父の遺産を代襲相続することになります。
  • この同時死亡はあくまで「推定」です。したがって、後にどちらが先に亡くなったかの先後関係を示す証拠がでてくればその推定を覆すことも可能になります。

「嫡出子」と「非嫡出子」 
  • 嫡出子
    嫡出子とは,法律上の婚姻関係にある夫婦から生まれた子のことを言います。原則として、婚姻後に法律上の夫婦間で生まれた子は嫡出子として扱われます。嫡出子の身分はその後その夫婦が離婚したとしても変わりません。
  • 非嫡出子
    法律上の婚姻関係にない男女から生まれた子を非嫡出子といいます。非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の2分の1と定められています。(この相続割合は改正される予定です)
    嫡出子、非嫡出子で差異が生じるのは,嫡出子と非嫡出子が双方相続人になる場合だけです。
    「配偶者」と「非嫡出子」だけが相続人になる場合、その相続分は配偶者と子の法定相続分とおり1/2ずつになります。
「全血兄弟姉妹」と「半血兄弟姉妹」
  • 全血兄弟姉妹
    全血兄弟姉妹とは、父母双方を同じくする兄弟姉妹をいいます。
  • 半血兄弟姉妹
    半血兄弟姉妹とは、父母のどちらか一方を同じくする兄弟姉妹です。たとえば「先夫や先妻の子」と「後夫や後妻の子」の関係です。

法律上は両親の一方が同じである限り、その子たちは兄弟姉妹の関係になります。そしてこの「全血兄弟姉妹」と「半決兄弟姉妹」の問題は、被相続人に「配偶者がない」「子供がない」「両親も亡くなっている」場合に起こることになります。

 被相続人の兄弟姉妹が相続人になる場合、半血兄弟姉妹の相続分は、全血兄弟姉妹の相続分の1/2になります。全血兄弟姉妹か半血兄弟姉妹かは被相続人から見て決められるのです。

相続欠格・廃除・特別縁故者
  • 相続欠格
    相続欠格とは、本来は相続人になれるはずの人(推定相続人)でも法に触れる行為をした場合などの一定の事情があると相続人にはなれないことを言います。
  • 廃除
    廃除とは、欠格ほどの理由が無い場合でも被相続人の意思によって相続権を奪う制度です。廃除の請求は被相続人の自由ですから、被相続人が請求しない限り廃除はありません。
  • 特別縁故者
    特別縁故者とは「内縁の妻」「事実上の養子」「療養看護に努めた人」などが該当します。被相続者に相続人の不在が確定した場合、被相続人の遺産は債権者への清算・受遺者への分配などを行ったあとに特別縁故者への分与が行われます。
相続放棄・単純承認・限定承認

遺産(相続財産)とは、被相続人が死亡時に残した財産です。それには当然プラスの財産だけではなくマイナスの財産である債務(借金)なども含まれます。つまりプラス財産より債務などのマイナス財産が大きい場合、親の借金を子が背負わなければいけないことになります。

そこで民法では「相続があったことを知った日から3ヵ月以内(熟慮期間)にどのような相続にするのか(相続放棄・単純承認・限定承認)」を、相続人が自由に選択できるようにしました。

 相続放棄
相続放棄とは、借金などの債務はもちろん相続財産の受け入れるのを一切拒否することです。しかし、相続放棄者であっても生命保険金のような「みなし相続財産」は受け取ることはできます
この場合は「遺贈により取得したものとみなす」とされ、相続税の納税義務は発生します。

 相続放棄」と「相続分の放棄」の違い!

  • 相続の放棄」をすると、最初から相続人とならなかったものとみなされます。当初から相続人ではなくなるのです。ですから資産のみならず債務も相続することはありません。
  • 「相続分の放棄」は、いったん相続人になったことを前提にして、その相続分を放棄するというものです。相続人としての地位を得た上で、放棄した持分を他の相続人が相続分割合に従って取得するものです。ですから「相続分の放棄」をしても原則として債務は相続されることになります。
    「相続分の放棄」は「相続放棄」と違い、相続放棄の場合に要求される家庭裁判所への申述は必要ありません。具体的には、他の相続人に対し印鑑証明書を添付しの放棄の内容を記載した書面や遺産分割協議からの脱退書などを交付するなどの方法によっておこないます。

「相続分の放棄」があった場合の他の相続人の相続割合は以下の通りで少し複雑になります。

 相続人が被相続人の「配偶者W」「長女A」「長男B」の場合
 (法定相続分は配偶者W1/2、A1/4、B1/4になります)

  • Aが自分の相続分の放棄をした場合、Aの1/4の相続分をWとBに「残された相続人の相続分」に応じて分配されます。つまり、以下の計算のように、その相割合はWが2/3、Bが1/3になります。
    <基本的な計算方法>
    T.相続分放棄者A以外の相続人W,Bの各相続分の合計を求める。
      1/2 + 1/4 = 3/4・・@ 
    U.@の値を1とした場合のW、Aの各修正割合を求める。
      Wの割合 3/4:1=1/2:X よって X=1/2÷3/4  X=2/3 
      Aの割合  3/4:1=1/4:X よって X=1/4÷3/4  X=1/3

相続人や相続分放棄者が多数の場合は、以下の計算方法を使います。

  • 残された相続人の相続分を計算するには「全員の相続分について分母を合わせ(通分して)、相続分放棄者の分子の合計値を分母から減ずる」ことで全員の相続分を算出することができます。
    <上記の例での計算>
     Wの割合 通分後2/4(分母4-1=3、分子はそのまま)・・2/3
     Aの割合  通分後1/4(分母4-1=3、分子はそのまま)・・1/3


__sozai__/0012127.png単純承認
単純承認とは「被相続人の財産と債務を無条件、無制限に承認する」という相続です。一般に「相続する」というのはこの単純承認のことになります。

__sozai__/0012127.png
限定承認
限定承認とは「相続する財産の額を限度に被相続人の債務を負担する」という条件つきの相続をいいます。

  • 限定承認は、3ヶ月の熟慮期間中に相続人全員で家庭裁判所へ申述しなければいけません。
  • 相続放棄による相続順位の順送りを食い止めたいときに限定承認を行います。限定承認はあくまでも「相続」であるので相続順位が次順位に進みません。
  • 限定承認をした場合は、被相続人の土地・建物・株式などの値上がり益部分について、譲渡所得の対象となり所得税課税が生じます。税法上、被相続人から相続人へ「時価で」資産の譲渡があったとされます。
    準確定申告において譲渡所得として計算されますが、その所得税は相続税の債務控除の対象となります。

「相続放棄」「単純承認」「限定承認」はどれも一度行ったら原則変更することができません。したがってくれぐれも慎重に決断する必要がありますが、諸事情によりどの方法を選択すればよいのかなかなか決められないこともあります。そのような場合には「相続の承認または放棄の期間伸長を求める審判」を家庭裁判所に申立することができます。 

寄与分・特別受益

「寄与分」「特別受益」は、相続人の間で不公平感が残らないようにつくられた制度です。寄与分、特別受益の割合は共に遺産分割協議で相続人全員の合意によるか、または調停などで家庭裁判所によって定められることになります。

__sozai__/0012127.png 寄与分

「寄与分」とは相続人の中で被相続人の「財産形成や療養看護」等をして特に被相続人に寄与した人に対して、本来の相続分とは別にその寄与分を相続財産の中から取得できるようにする制度です。

寄与分は民法で認められているといってもその割合までは定められていません。つまり、寄与分は主張したからといって認められるのもではありません。

なお、相続人の配偶者や子供が相続人に代わって特別な寄与をした場合は、その相続人の寄与分として主張することもできます。

被相続人が遺言で「すべての遺産の分割方法を指定」しておくと、相続人の寄与分の主張を封ずることができます。被相続人が遺贈する場合には、寄与分は相続開始時に有した財産の価額から遺贈の額を控除した額を超えることはできない(民法904条の2第3項)とあります。
この寄与分制度は、被相続人の意思に反しない限りでの寄与の保障にすぎないので、
遺言ですべての遺産の分割方法を指定しておけば寄与分の機能する余地がなくなるのです。

  • 相続分の指定
    相続分の指定とは、被相続人の意思に基づき共同相続人の中の一定の者について、法定相続割合と異なった割合を定めることをいいます。すなわち、分数的割合を示して共同相続人全員の法定相続分割合を変更することです。
  • 遺産分割方法の指定
    遺産を現物で分ける現物分割、売却して価額で分割する換価分割、相続人の1人が財産を取得して他の相続人に代償金を支払わせる代償分割、共有とする共有分割等の方法を定めることをいいます。

__sozai__/0012127.png 特別受益

被相続人が生前に相続人に対して資金などを援助した場合(特別受益といいます)、遺産分割の際にその援助分は相続財産の先取りとみなされます。

この特別受益は、遺産分割の対象となる被相続人の財産に計算上戻さなければなりません。注意しなければならないのは、その評価の基準は相続開始時の時価で計算されることです。特に不動産などの場合、値上がりの為贈与時の価格とかけ離れることがあり、計算上不利になってしまいます。

こういった事態を防ぐには、遺言で「生前に贈与した土地・建物については特別受益の持戻しを免除する」と明記しておきます。

民法903条1項には、具体的相続分を計算する際の基礎となるみなし相続財産を確定するときには、「相続開始時に現存する相続財産」の額に、相続人が受けた「贈与」の額を加算することとされています。
「すべての遺産の分割方法を指定」する遺言方法により、特別受益の持戻しの問題も、各相続人の遺留分を侵害しない限り生じないことになります。
特別受益は、それ自体独立して紛争となることはなく、遺産分割の前提問題、又は遺留分減殺請求の前提問題として争われる場合にのみ紛争の対象となるからです。

<特別受益の種類>  
__sozai__/0011814.gif 「遺贈」
その目的にかかわりなく包括遺贈も特定遺贈もすべて特別受益になります。「相続させる」という遺言も遺贈に準じます。
__sozai__/0011814.gif 「生前贈与」
生前贈与が相続財産の前渡しとみられる贈与であるか否かを基準として判断します。以下の贈与の場合に特別受益の対象となります。

  1. 婚姻又は養子縁組のための贈与
    ただし結納金・挙式費用は、一般的には遺産の前渡しと言ませんから特別受益には該当しないとされています。
  2. 学資等
    学資等は親の扶養義務の一部とみられることもあります。
  3. その他の生計の資本としての贈与
    具体的には子が親から独立する際の不動産の分与や営業資金の贈与などが考えられます。つまり、遊興費支払いのための金銭の贈与など生計の資本としての贈与に当たらない場合には特別受益になりません。

__sozai__/0011814.gif 判例による不動産の権利について「特別受益にあたるか」の判断

  • 土地の無償での使用
    親の土地に子供が建物を建築すると一般的には親子間での土地の使用貸借契約となります。相続時においてはその使用貸借権を特別受益としてその価格は下級級審の判決では当該使用貸借権の価格とされており、その使用貸借権の価格は不動産鑑定士による鑑定では更地価格の15%ほどを認めています。
  • 建物の無償使用
    ・親の建物に子が同居しているときは独立の占有が認められず、又扶養の範囲内とも考えられ一般的には特別受益とはならないと思われます。
    ・親の建物に子の家族等が独立の占有を有するときは(別の建物など)使用貸借契約の成立を認めることができます。この場合は特別受益になると考えられます。
  • 借地権の場合
    親名義の借地を生前に子供名義に書換えて子供が地代を支払うような場合には、借地権価額が高額となる可能性があるので借地権の生前贈与として特別受益となることあります。
  • 借家権の場合
    借家権は生前に名義変更をしたとしても、家賃の支払いを継続していれば特別受益にはならないケースが多いと思われます。

__sozai__/0011814.gif 相続人の一部に具体的相続分がゼロの特別受益者がいる場合の相続分
特別受益者の具体的相続分がゼロになったとき、特別受益者の相続分は他の相続人の相続分の割合に応じて他の相続人に帰属します。
具体的な計算方法は以下の通りです。

  1. 相続人全員の法定相続分を計算する(通分する)
  2. その中から特別受益者を除く他の相続人の法定相続分の「分子の合計」を「分母」とする
  3. それぞれの法定相続分の「分子」をその者の「分子」として計算する

遺産分割協議書を添付せず「特別受益証明書」だけを添付して相続登記する場合は、この方法による割合以外での申請はできません。

__sozai__/0012127.png相続分のないことの証明書(特別受益証明書)
相続分のないことの証明書とは、相続人の中に自分の相続分以上の特別受益(遺贈または生前贈与)を受けた場合に自分には相続分がないということを証明する書面です。
相続登記の申請に際し当該証明書が真正に作成されたことを証する為、この特別受益証明書には印鑑証明書の添付が必要になります。

  __sozai__/0011814.gif 「相続分のないことの証明書」のサンプル
   私は、被相続人〇〇〇(平成〇年〇月〇日死亡)
     本籍:〇県〇市〇町〇丁目 
     最後の住所:〇県〇市〇町〇丁目
   から生計の資本として財産の贈与を受けており、被相続人の死亡による相続について
   は、相続による相続分が存在しないことを証明します。

    平成〇年〇月〇日


    △県△市△町△丁目  相続人  〇〇〇   実印

代償分割・換価分割

__sozai__/0012127.png 代償分割

代償分割とは、特定の相続人が多く遺産を取得した場合、その分に見合った金銭を他の相続人に支払う遺産分割の方法です。遺産が店舗や作業場兼自宅であるような場合に特定の相続人に事業用資産を集中させるときなどに利用します。

  • 不動産を売却する予定がない場合には代償分割が有利です。
    これは通常、不動産の相続税評価額(相続税を計算する場合の金額)が時価(売却する場合の金額)より低いため代償分割の方が相続税が少なくなる理由からです。
    ただし、代償分割後、すぐに売却し代償債務の支払に充てるような場合には換価分割とみなされる場合があるので注意が必要です。代償金の支払期日や支払方法については、遺産分割協議書に明記しておくようにします。

__sozai__/0012127.png 換価分割
換価分割とは、遺産を売却しその売却額が決まってから売却額を相続人間で分配する方法です。相続人に
とっては利用価値のない不動産を相続する場合に利用します。

  • 不動産を売却する予定がある場合には換価分割が有利です。これは「相続税額の取得費加算」を「相続人全員で利用できる」ためです。
    換価分割した場合の相続税は、換価する前の遺産の評価額に対してかかります。売却金額がいくらでもそれは相続税とは無関係です。(換価分割した遺産には譲渡所得としての税金がかかります)

代償分割後に不動産を売却した場合には、取得した者が負担した相続税の分だけしか下記の「相続税額の取得費加算」の適用を受けることができません。
しかし、換価分割によれば相続人全員で売却したことになるため、取得費に加算できる相続税額を無駄にすることはありません。
ただし、相続税の申告期限から3年以内に売却することが要件となっていますので注意が必要です。


相続税額の取得費加算
相続等により取得した財産をその相続等の日の翌日から相続税の申告期限以後3年以内に譲渡した場合には、相続税額のうち一定の金額が取得費に加算されます。
取得費が増えるということは、結果的に節税ができることになります。なお、この規定は住民税でも適用することができます。適用要件としては次の通りです。

  • 売却した資産を相続又は遺贈によって取得したこと
  • その相続で相続税が発生していること

その相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却していること。

遺留分

被相続人は自己の財産を「自由に」「無償で」処分することができます。つまり、遺言により相続分を指定したり、生前贈与することなどによって、全ての財産を特定の人に引き継がせることができるのです。

遺言者が残した遺言がある場合は、その内容が法定相続分よりも優先する事になります。

しかし、相続人のために被相続人の意思に関わらず必ず一定の財産を残さなくてはならない「遺留分」があります。

この「遺留分」とは、各相続人が受け取る権利のある最低限の相続財産のことをいいます。これに対して、遺留分に服さずに被相続人による自由な処分に委ねられている部分を「自由分」といいます。

遺留分を侵害した無償処分(例えば、贈与や遺贈など)は当然に無効になるわけではなく、遺留分権者が遺留分を主張するためには、遺留分減殺請求をしなければなりません。

遺留分減殺請求の通知については「配達証明付内容証明郵便」で行うのが通常です。

__sozai__/0012127.png遺留分の減殺を請求できる者(債権者による遺留分減殺請求権の代位行使はできません)

  • 相続人(兄弟姉妹及びその代襲者を除く)
  • 遺留分権者である相続人、包括受遺者、相続人の譲受人などの包括承継人
  • 特定承継人(例えば各処分行為に対する個別的な減殺請求権の譲受人)

__sozai__/0012127.png遺留分の割合

  • 昭和56年1月1日以降に開始した相続の場合
    「直系尊属のみ」が相続人である場合は、被相続人の財産の1/3が遺留分になります。それ以外の場合は、被相続人の財産の1/2が遺留分になります。
  • 昭和55年12月31日以前に開始した相続の場合
    「直系卑属のみ」が相続人であるとき及び「直系卑属」と「配偶者」が相続人の場合は被相続人の財産の1/2が遺留分になります。それ以外の場合は、被相続人の財産の1/3が遺留分になります。

__sozai__/0012127.png 遺留分の基本的算定式
個別的遺留分の割合=「相対的遺留分の割合」x「法定相続分の割合」

兄弟姉妹(1/4)と配偶者(3/4)が相続人の場合の「妻の遺留分」
兄弟姉妹には遺留分がありません。従って、配偶者の遺留分は3/4×1/2=3/8ではなく1/2になります。

__sozai__/0012127.png 遺留分額の算定
遺留分算定の基礎となる財産額は、相続開始時に被相続人が有した積極財産の価額に被相続人が贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除したものになります。(民法1029条)。債務を控除するのは遺留分制度が「相続人が現実に取得する価額」を基礎として遺留分権者に一定割合を留保する制度であるからです。

加算される贈与(相続人以外への贈与を含む)は次のものです。

  1. 相続開始前の1年間にされた贈与
  2. 遺留分権者に損害を与えることを知って行われた贈与(相続開始1年前に限りません)
    「損害を加えることを知って」とは、遺留分を侵害する認識があればよく、損害を与えるという加害の意図や誰が遺留分権者であるかを知っている必要はありません。
  3. 不相当の対価でなされた有償処分
  4. 特別受益としての贈与
    特別受益としての贈与は、特段の事情がない限り相続開始1年前であるか否かを問わず、また損害を加えることの認識の有無を問わずすべて加算されます。また、被相続人による持ち戻し免除の意思があった場合でもその贈与価額は遺留分算定の基礎となる財産に算入されます。

__sozai__/0012127.png遺留分で注意すること
相続欠格、廃除、相続放棄により相続権を失った者は、遺留分を主張する事はできなくなります。ただし、相続欠格、廃除の場合には代襲相続がありますので、これらの者の直系卑属が遺留分権者になります。

  • 遺留分減殺請求権は、相続開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年以内に遺留分を侵害している相手方に請求しなければ消滅時効によりその権利はなくなります。
  • 遺留分が侵害されていることを知らなくとも、遺留分減殺請求権は相続開始のときから10年経過すると同様に消滅時効により権利はなくなります。

__sozai__/0012127.png 遺留分の放棄ができる場合(相続開始前・相続開始後)
遺留分の放棄というのは、遺留分減殺請求をする権利を放棄することです。つまり「自分には相続分がないと遺言に書かれていても文句は言いません」ということです。逆に言えば、遺言で自分の相続分が遺留分より多かったり、あるいは遺言がなければ、遺留分を放棄していても何の影響も受けませんので、のまま相続できるのです。

遺留分は相続人固有の請求権ですので本来は自由に放棄できるはずです。しかし、相続開始前の遺留分の放棄を無制限に認めると、強要されるなどして自分の意思に反して遺留分の放棄がなされる可能性があります。

そこで、そのような事態が起こることを避け遺留分制度が骨抜きにならないように、民法1043条1項は「相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限りその効力を生ずる」と規定しました。相続開始後の遺留分の放棄は家庭裁判所の許可を受けなくても自由に放棄できます。

  • 「遺留分の放棄」は「相続の放棄」ではないので相続開始後は相続人のままです。「相続の放棄」の場合は初めから相続人とならなかったものとみなされます。(民法939条)
    つまり「遺留分を放棄」すると、遺留分を侵害する遺贈又は贈与がなされてもの減殺請求ができなくなりますが、相続権を有するので遺産分割により遺産を取得することはできます。
    この場合、被相続人に借金などの負債があるときは法定相続分で負担することになります。
  • 代襲相続の場合、被代襲者が遺留分の事前放棄をしておけば、代襲相続人は被代襲者の有していた権利しか取得できないので遺留分はないことになります。
  • 遺留分を放棄した者が、その代償として贈与を受けていた場合に遺留分を侵害された他の遺留分権利者から遺留分減殺請求を受けると、遺留分を放棄した代償として贈与を受けた者も相続人であるので、その贈与は時期にかかわらず遺留分減殺請求の対象になります。従って代償としての贈与を確保できなくなるなどの不利益を受けます。
  • 遺留分を放棄しても他の相続人の遺留分に影響を及ぼさないので、他の相続人の遺留分は増加しません。(民法1043条2項)

__sozai__/0011814.gif 相続開始前の遺留分放棄についての家庭裁判所の許可の基準

  • 遺留分を有する相続人の自由な意思に基づくものであること
    実際に、家庭裁判所の審判で相続人に遺留分の放棄の意思があるか確認されることになります。
  • 放棄の理由に合理性・必要性があるか
    例えば、農地や建物の所有者が多数人になることを防止したり、相続人の一部の方が会社や個人経営を継ぐ場合に、会社の株などの財産を後継者に相続させる場合などの理由が必要になります。
  • <審判例>
    申立人の両親が申立人の結婚に反対し、結婚を止めなければ両親の財産を与えることができない旨をかねてから主張していたが、申立人が結婚をすると決めたので両親は用意していた遺留分放棄申立書を取り出し、申立書に署名捺印させたという事情がある場合。
    家庭裁判所は、結婚問題に関する強度の干渉の結果と言わざるを得ず、合理的理由がないとして不許可にした例があります(大阪家審昭和46年7月31日)
  • <審判例>
    遺留分の放棄と引き換えにする贈与などは、先にされるか同時にする必要があるとされる傾向にあります。
    非嫡出子である申立人に5年後に贈与をするという約束の下で、遺留分の放棄の申し立てをした場合に、このような贈与は現実に履行されるかたやすく予断できないから、許可すると思わぬ損害を惹起する恐れがあるとして不許可になったものがあります。
    (神戸家審昭和40年10月26日)


                    

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相続財産の調査とその評価

相続財産の調
相続財産の調査・確認作業は、まず被相続人の借入金やカードローンなどのマイナス財産の把握から始めることが重要です。

これは仮にマイナス財産がプラス財産額を上回るような債務超過の相続の場合には、原則として、相続があった日から3ヶ月以内に家庭裁判所にて相続放棄手続きを行う必要があるからです。

相続開始の時点では債務超過になっていないけれども、今後新たな借入金が確認された場合に債務超過になってしまう可能性がある場合には、限定承認手続きをする必要があります。

  • 見つけにくいマイナス財産
    <被相続人がサラリーマンだった場合>
    ・勤務先からの借入金
     勤務先への照会、毎月の給与明細で確認
    ・カードローン
     カード利用明細書、通帳の引落し履歴で確認
    ・連帯保証債務
     金銭消費貸借契約書の写しなどで確認。

    <被相続人が事業を営んでいた場合>
    ・預り敷金
     不動産所得の収支明細、賃貸借契約書で確認
    ・自己の会社からの借入金
     会社の決算書などで確認
    ・連帯保証債務
     金銭消費貸借契約書の写しなどで確認
     
  • 見つけにくいプラス財産
    __sozai__/0011814.gif定期預金
    被相続人が遺族に知らせずに積み立てている場合があるので、取引していた銀行の全支店に関する残高証明書の発行を依頼します。

    __sozai__/0011814.gif生命保険契約に関する権利は次のような保険契約を確認します。
    <契約者「被相続人」・保険料負担者「被相続人」・被保険者「相続人」
    <契約者「相続人」・保険料負担者「被相続人」・被保険者「相続人」
    これらの契約は被相続人が死亡しても保険料を負担しているだけで被保険者になっていないため、保険料が支払われないので注意が必要です。

    __sozai__/0011814.gif書画骨董
    美術年鑑等に登載されているものなど流通価値があるものについては、それらの精通者による鑑定で判断します。

    __sozai__/0011814.gifオーナー会社への貸付金
    中小企業のオーナーの場合、その会社への事業資金を貸し付けているケース多くあるので(貸付金という資産)決算書によって確認します。
遺産分割の対象とならない相続財産
一般的には遺産分割の対象となると思われているものの遺産分割協議が必要ない相続財産は以下の通りです。
  •  預金債権
    普通預金などの金銭債権は可分債権であり、相続開始と同時に分割され、すでに各々の相続人に帰属しているので遺産分割の対象となりません。つまり可分債権とは、相続が開始すると当然に法定相続分に従って相続されるので遺産分割の対象とならない財産なのです。
    しかし、実務上では本来協議の必要のない預金債権を、当事者間の合意で協議の対象にできます。(合意があることによって可分債権が「当事者の意思表示による不可分債権」に転ずる*民法428条)これに対し、現金については動産であり遺産分割の対象となります。 
  • 賃料収入(賃料債権)
    遺産分割の対象は相続開始時に存在した財産である必要があります。賃料債権については相続開始時には発生していないので遺産分割の対象ではありません。
    これに対し、不動産(賃貸物件)は被相続人が死亡した時点で遺産であり、分割される前は相続人による共有状態になります。賃貸不動産を共有している場合に発生した賃料債権は可分債権ですので預金債権と同じ取扱いになります。
  • 親族が交通事故などにあったときの損害賠償請求権
    損害賠償請求権も可分債権なので預金債権と同じ扱いになります。 
  • 遺留分減殺請求の結果、共有状態になった不動産等
    <被相続人A、相続人B,C(子2人)の例>
    相続人Bに、ある不動産を相続させるという遺言があったとき、相続人Cが遺留分減殺請求権を行使すると、その不動産持分はB3/4、C1/4の共有になります。その共有状態を解消するためには遺産分割協議(調停・審判)ではなく「共有物分割手続き」によることになります。
  • 債務(借金)
    債務は遺産分割の対象とならないので、相続人全員で債務を負担することになります。遺産分割協議書で「特定の相続人がすべて債務を負担する」としても、債権者は債務を負担しない相続人に対し支払いの請求ができます。ただし、相続人間で「その負債を誰がどのように負担するか」ということを協議することはできます。債権者はその協議には拘束されないので、それが可分債務(借金など)又は不可分債務(移転登記に協力する義務など)であっても各相続人がそれ各々の義務を負うことになります。 

 

相続財産の評価・価

遺産分割協議にとって非常に重要なのは、上記の通り、被相続人の財産の調査・確認作業です。相続財産の評価(価値)を調べたうえで財産目録を作成するようにします。

相続財産の価額は、原則として相続開始の時の時価で評価します。遺産分割協議の場合、分割協議の時点の財産の時価(取引相場)をもとに行います。

評価の方法は相続人間の合意により決めることができます。

たとえば土地の場合だったら、路線価・公示価額・固定資産税評価額を参考にするというようにします。

相続税のおける評価も基本的に相続開始の時の時価とされていますが、実際には相続税法と財産評価基本通達により定められており、基本的にこれにより評価します。

__sozai__/0011814.gif不動産
土地の財産評価上の区分は財産評価基本通達で9種類の地目に分れます。

  1. 宅地
    駐車場・テニスコート・プールについては宅地に接続するものは宅地に該当します。また課税時期の現況によって地目は判断されるため、登記上は「畑」でも建物が建っていれば「宅地」として評価することになります。
  2. 山林
  3. 原野
  4. 牧場
  5. 池沼
  6. 鉱泉地
  7. 雑種地(駐車場:宅地に該当する駐車場を除く、ゴルフ場、遊園地、運動場、鉄軌道用地など)

不動産(土地)の評価方法(公的価格等)は以下のようになります。

  • 固定資産税の課税標準額、いわゆる固定資産税評価額(公示価格の約70%)
    3年に一度評価替え(基準年度の前年1月1日時点) 
  • 相続税の課税標準額 いわゆる路線価(公示価格の約80%)
    毎年評価替え(毎年1月1日時点) 8月初旬公表
  • 公示価格
    毎年1月1日を基準日として公示 3月下旬公表
  • 基準地標準価格
    毎年7月1日時点を基準日として公表 9月下旬公表 
  • 実際の取引価格(時価)
    不動産鑑定評価には、原価法 取引事例比較法、収益還元法の3つがあり家庭裁判所の鑑定では主として取引事例比較法が使われています。建物は固定資産評価証明書(倍率x1.0)に基づくなどして合意形成に努めるようにします。

__sozai__/0011814.gif生命保険金や生命保険契約に関する権利・個人年金などの定期金
生命保険金について民法上の相続財産になる場合は以下のケースです。

  • 「保険金受取人」が亡くなった親など「被相続人」になっていた場合
  • 「保険金受取人」が特定の人に指定されておらず、単に「相続人」となっていた場合

この場合、生命保険金は相続財産の一部となるので、その保険金をどのように分けるかというのは遺産分割協議の対象となり、相続人間の協議で決まります。しかし、その生命保険受取人が誰かに特定されている場合、保険金の請求権はその受取人の固有の権利であり遺産分割協議の対象ではないとされています。

問題になるのは、相続人の誰か一人だけが多額の生命保険金を受け取っているようなケースです。これについては次のような平成16年の最高裁の判例があります。

「生命保険金を受領した相続人とその他の相続人との間に生ずる不公平が、民法903条の趣旨(特別受益の規定)から考えて、到底是認することが出来ないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、当該保険金を、特別受益に準じて持ち戻しの対象とする(つまり、遺産として取扱う)のが相当である。」

つまり、保険金は原則として遺産には入れないが、特別の場合には遺産の扱いをすることもあり得るとしています。特段の事情の有無については「保険金の額、遺産の総額に対する保険金額の比率のほか、同居の有無、被相続人の介護に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及びその他の相続人と被相続人の関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断すべき」としています。

なお、個人年金保険などの定期金給付契約(生命保険契約を除く)で、当該契約に関する権利を取得した時において、定期金給付事由が発生していないものに関する権利の価額は原則として解約返戻金相当額により評価されます。 

__sozai__/0011814.gif株式 ・ 公社債
上場株式の場合:次の4つの価格のうち、最も低い価格で評価します。

  • 課税時期の最終価格
  • 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
  • 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
  • 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額 

取引相場のない株式の場合(小会社:オーナー株主が取得した場合)は次のどちらかで評価します。

  • 純資産価額方式
  • 類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用

__sozai__/0011814.gifゴルフ会員権(通常取引価格の70%)、書画・骨董品・宝石(売買実例価額) 預貯金、自動車、債権、特許権、営業権 

__sozai__/0011814.gif 葬儀費用の問題
葬儀費用(通夜・告別式、火葬等の過程で要する費用)は、相続開始後に生じた債務であり、また一時的には祭祀主催者(喪主)が負担することとなります。

葬式費用を誰が負担するかについては、法律上決まっているわけではありません。従って地方の慣習や故人との関係などを考慮しつつ、関係者の話し合いによって誰がどの程度負担するか決めるのが望ましいといえます。

学説や裁判例から総合的に考えると、葬式費用はまず香典で賄いその不足分は相続財産の中から支払い、さらに不足するときは相続債務に準じその相続人が相続分に応じて負担すべきものと考える見解が有力です。香典については「死者への弔意」「遺族への慰め」「葬儀費用」など、遺族の経済的負担の軽減を目的とする祭祀主催者や遺族への贈与にあたるため遺産分割協議の対象になりません。また香典自体は贈与税の非課税とされています。

 

 



                    

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相続財産の名義変更・相続登記(参考)

相続登記相続による不動産の移転登記)

財産を相続したときには、その名義を相続人に移さなければならない相続財産があります。特に不動産の登記は被相続人のままにしておくと、後々問題が複雑になってしまうことがあるので注意が必要です。

  • 複数の法定相続人が存在しても、遺産分割協議・相続分譲渡・遺言などによって一部の相続人だけが不動産を取得した場合、不動産を取得しない相続人は相続登記の申請には関係しません。

遺言が「ない」場合の相続登記に必要な書類
遺言がない場合は「遺産分割協議」または「法定相続分」によって相続登記をすることになります。
法定相続分による登記の場合、基本的には法定相続人全員が登記の申請人となりますが、他の相続人の協力が得られない場合には、法定相続人のうちの1人だけが他の共同相続人のために申請人となって法定相続分の登記が可能です。

  • 遺産分割協議書
    遺産分割協議書には、被相続人の相続についてどの財産をどの相続人が相続するかを定め日付と相続人全員の署名と実印の捺印、印鑑証明書の添付が必要です。
    遺産分割協議書に添付する印鑑証明書には期限はありません。
    複数の相続人が法定相続分どおりに相続する場合」「相続人が1人しかいない場合」には遺産分割協議書は不要です。
      
  • 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
    正確な地番、家屋番号がわかっている場合には全国どこの法務局でも取得できます。またオンラインでも申請可能です。
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
    相続人が相続発生時に生存していることや、夫婦の場合離婚していないこと、養子の場合は離縁していないことを証明します。
  • 不動産を取得する相続人の本籍地記載住民票
  • 被相続人の住民票の除票(本籍地記載)または戸籍の附票
    登記簿上の住所と戸籍謄本のつながりを証明します。
  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
    被相続人の配偶者(夫または妻)子がいるかどうか確認します。
  • 相続登記の登録免許税、登記申請書
  • 固定資産評価証明書(期限あり)
    不動産が存在する市区町村役所で取得します。(郵送での取寄せも可能です)
    固定資産評価証明書は、その年の4月1日から翌年の3月31日までの登記申請に使用します。例えば平成23年度の固定資産評価証明書は平成23年4月1日から平成24年3月31日までの登記申請に使用します。 
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 申請先は該当不動産を管轄する法務局になります。

遺産分割協議書が不要の場合(法定相続分どおりの登記の場合や相続人が1名の場合)は、印鑑証明書も不要です。

「相続登記」については一般的な不動産登記のケースと異なり、印鑑証明書の有効期限はありません。印鑑証明書については基本的に有効期限はないのですが、一般的に言われている有効期限とはその提出先が「〇ヶ月以内に取得したもの」と定めているものです。有効期限3ヶ月以内の印鑑証明書の添付が必要なケースは以下の2つのケース のみです。

  1. 所有権の「登記名義人」が「登記義務者」として登記を申請する場合
    例:所有権移転登記、抵当権設定登記など。
  2. 所有権の「登記名義人」が土地の合筆または建物の合併の登記を申請する場合    

「登記名義人」とは、権利部の甲区(所有権)欄や乙区(所有権以外の権利)欄に現在の名義人(権利者)として記録されている者のことをいいます。

特に以上の2つのケースに有効期限の定めを設けた理由は、印鑑証明書を作成後長期間を経過しているときなどは、登記申請時点では紛失や盗難等により改印されてしまっているなどケースがあり必ずしも本人の申請意思を確認できなくなる恐れがあるからです。「固定資産評価証明を除く」戸籍謄本類などについても、相続開始後に取り寄せたものであれば基本的に有効期限はありません。

法定相続分による相続登記を申請する場合に、相続人の中に未成年者がいるときにはその未成年者に代わって親権者が登記申請します。この法定相続による方法で相続登記を申請する場合には、例外として親権者と未成年者が記載されている戸籍謄本についての有効期限は3ヶ月になります。   


遺言が「ある」場合(遺贈)の相続登記に必要な書類
「遺贈:遺言による贈与」によって不動産の名義変更登記を申請する際には、包括遺贈と特定遺贈とを問わず「登記権利者」と「登記義務者」の共同で登記申請を行うことになります。
・「登記権利者」は不動産をもらう受遺者になります。
・「登記義務者」は相続人全員または遺言執行者(指定されている場合)になります。

  • 遺言
    自筆証書遺言の場合は家庭裁判所による検認が必要になります。検認後いつまでに登記申請しなければならないという制限はありません。
  • 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
  •  固定資産評価証明書(期限あり)
  • 遺言者(被相続人)の住民票の除票(本籍記載)または戸籍の附票及び遺言者(被相続人)の死亡時の戸籍謄本
    遺言者が亡くなったこと(遺言の効力が発生したこと)を確認します。
  • 法定相続人を確定するための戸籍謄本等
    遺言執行者が選任されていない場合には、法定相続人全員が登記義務者となりますが、相続人が誰であるのかを証明するためにその戸籍等が必要になります。
  • 受遺者(不動産を取得する相続人等)の本籍地記載住民票または戸籍の附票及び戸籍謄本
    相続人が遺言の効力発生時に生存していることや、遺言者の相続人であること・夫婦の場合離婚していないこと・養子の場合離縁していないことを証明します。また登記名義人になる方の実在性、正確な住所を証明するために必要になります。
  • 登記義務者(遺言執行者者または相続人全員)の印鑑証明書遺言執行者の選任を書する書面
    遺言書によって遺言執行者が選任されている場合には、遺言書と遺言者の死亡が分かる戸籍、家庭裁判所によって遺言執行者が選任された場合には審判書謄本を添付します。
  • 相続登記の登録免許税
  • 登記申請書

 法定相続分による相続登記
法定相続分による相続登記は、

  • 相続人のひとりが
  • その単独で
  • 他の共同相続人のために

共同相続の登記ができます。この場合は他の相続人の同意がなくても手続きができるのです。単独でこのような法定相続分による不動産移転登記をするのは、遺言の内容に不服があるので遺言執行に対抗する場合や相続財産を売却したいのに遺産分割協議ができない場合などが考えられます。このようなケースになると、遺言に沿ってその不動産の登記に戻すには家庭裁判所における調停や審判などが必要になり、大変な手間と時間が必要になってしまいます。

 
相続登記と不動産の権利証、登記識別情報

相続登記は相続人からの単独申請であり、権利変動の真実性は戸籍謄本などで確認するため、登記識別情報または権利証(登記済証)は以下の場合を除き基本的に不要です。

  • 戸籍謄本・住民票の除票が保存期間の経過などにより証明が受けられない場合
  • 住民票の除票に記載された住所と登記簿に記載された住所が異なる場合 

相続登記以外の「所有権移転」などの登記申請をする際には、権利証(登記済証)または登記識別情報を申請書に添付しなければならないこととされています。

しかし権利証や登記識別情報は紛失しても再発行はできません。権利証を紛失した場合は以下の制度を利用します。権利証を紛失または焼失しても、登記内容が変わることはありません。

__sozai__/0012127.png「事前通知制度」

事前通知制度とは紛失するなどして登記申請書に権利証を添付することができない場合、登記を完了させる前に売り主などの本人確認を行う制度です。

  1. 登記申請の際に権利証を添付することができない理由を登記申請書に記載します。
  2. 法務局(登記所)から登記をする前に売り主などに対して「本人限定受取郵便」により登記申請があった事実と申請内容が真実であれば、2週間以内にその旨を申し出るよう通知が送られてきます。
  3. 通知を受けた売り主などは2週間以内に登記申請書の印(実印)と同じ印を通知書に押印し、必要事項を記載して法務局(登記所)に提出すれば登記が完了します。

__sozai__/0012127.png資格者代理人による本人確認情報の提供制度
資格者代理人による本人確認情報の提供制度とは、登記申請の代理人になれる資格者(司法書士、土地家屋調査士など)によって登記の申請がされ、その資格者代理人が売り主などを運転免許証などにより本人と確認した旨を明らかにした情報を法務局(登記所)に提供する制度です。本人確認情報が適正であれば、事前通知を省略して登記が実行されます。

__sozai__/0012127.png権利証と登記識別情報
平成18年以前は登記が完了すると、不動産の権利を取得した人には登記済証(登記所の印鑑を押した書類)が交付されていました。これがいわゆる「権利証」です。今までは権利証を「もっている」ことが、不動産の権利者としての確認資料のひとつでした。つまり不動産を売却したり担保に入れたりする場合には、この「権利証」を登記所に提出することが必要だったのです。

平成18年以降はオンライン申請による場合、全ての情報を電子情報として送信しなければならないことから、書面としての「権利証」はオンライン申請では使うことができません。 そこでこれまでの「権利証」は、登記が完了しても交付されないことになりました。 平成18年以降は登記が完了すると買主等の登記名義人に「登記識別情報」が通知されることになりました。

この登記識別情報とは、登記の申請がされた場合に当該登記により登記名義人となる申請人に、その登記に係る物件及び登記の内容とともに、登記所から通知される情報をいいます。

登記識別情報とは・・
登記識別情報とは、アラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号で、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められます。これからはこの番号を「知っていること」が不動産の権利者としての確認資料のひとつとなります。

不動産を売却したり担保に入れたりする場合には、不動産ごと、権利者ごとに発行されるこの『登記識別情報』と呼ばれる12桁の英数字を登記所に提出することが原則となります。

なお、現在発行されている「権利証」は、使えなくなるわけではありません。オンライン指定庁となった後は、登記済証(権利証)は発行されず登記識別情報が通知されます。それを「次の登記申請で使うことが原則となる」 というだけであり、今後もすでに発行されている「権利証」は書面による登記申請の際に提出することが原則となります。

固定資産評価証明書と固定資産税課税標準額の違い

建物の場合、固定資産税課税標準額と固定資産評価額は通常一致しますが、土地の場合には、固定資産税課税標準額と固定資産評価額は異なる額となります。土地の場合の課税標準には特例があるからです。住宅用地に係る課税標準額の特例住宅用地については、その土地の課税標準額を次のように圧縮する措置が取られています。

  • 小規模住宅用地の場合(200u以下):固定資産評価額×1/6=固定資産税課税標準額 
  • 一般住宅用地の場合:固定資産評価額×1/3=固定資産税課税標準額

__sozai__/0012127.png土地に関する負担調整率について
平成6年度評価替えから、それまで公示価格の20〜30%程度で評価されていた土地の固定資産税評価額が公示価格の70%水準に一気に引き上げられました。土地の固定資産税評価額は全国平均で一挙に約3.5倍に引き上げられたのです。しかし固定資産税や都市計画税の税率は引き下げられませんでしたので、そのままにしておくとこれらの税額は約3.5倍になってしまいます。

そこで、平成5年の固定資産税評価額を基準にして、平成6年の評価額との乖離程度に応じて毎年2.5%〜15%ずつ徐々に課税標準を引き上げて税負担を増やしていくことになったのです。このことを「負担調整措置(率)」といいます。

バブル崩壊後の大幅な地価下落を受けて、3年の見直しごとにその調整方法に工夫を加えられてきましたが、一部の大都市中心部を除いて地価下落が続いているため、現在でも負担調整措置の改訂が行われています。具体的には次の式により今年度の土地の固定資産税課税標準額を定めています。

  • 前年度の固定資産税課税標準額×負担調整率=今年度の固定資産税課税標準額

以上の理由により土地の固定資産課税標準額は土地の固定資産評価額よりも非常に低い額となっています。

不動産以外の財産の名義変

__sozai__/0012127.png自動車の名義変更(申請先は管轄の陸運支局または検査登録事務所)

  • 移転登録申請書(OCR用紙)
  • 被相続人の戸籍・除籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書)
  • 自動車を相続する人の実印、印鑑証明書
  • 自動車検査証
  • 手数料納付書
  • 自動車損害賠償責任保険証書
  • 車庫証明(使用の本拠変更のとき)
  • 自動車税申告書
    相続による自動車の取得は自動車取得税が非課税となります。移転登録を行った後に、単独相続の場合は戸籍謄本、共同相続の場合は戸籍謄本及び遺産分割協議書(写し)を添付の上、自動車取得税・自動車税申告書を提出します。

次の各遺産については個別に必要書類が異なりますので事前に問い合わせが必要です。
__sozai__/0012127.png預貯金の名義変更

  • 各金融機関の依頼書、被相続人の戸籍・除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、通帳・証書・届出印、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書
    ・申請先は各金融機関の本店または支店

__sozai__/0012127.png株式・投資信託等の名義変更

  • 被相続人の戸籍・除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、株式名義書換請求書、株券(電子化されていない場合)、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書 
    ・申請先は各金融機関(証券会社)の本店または支店、株式発行会社

__sozai__/0012127.png電話加入権の名義変更

  • 加入等承継届出書、被相続人の除籍謄本、相続人の戸籍謄本・印鑑証明書
    ・申請先はNTT

__sozai__/0012127.pngゴルフ会員権の名義変更

  • 遺産分割協議書、被相続人の戸籍・除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本・住民票・印鑑証明書、預託金証書、相続同意書
    ・申請先は該当ゴルフ場

 



                    

 

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相続人がおこなう「被相続人」の準確定申告

所得税は、毎年1月1日から12月31日までに生じた所得について、翌年の2月16日から3月15日までに「(通常の)確定申告」をすることになっています。

納税者である「被相続人」が年の中途で死亡した場合等には、相続人はその相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月を経過した日の前日までに、被相続人に係る確定申告書を提出しなければなりません。これを準確定申告といいます。

__sozai__/0012127.png準確定申告が必要なケース

  • 被相続人が個人事業を営んでいた場合
  • 被相続人が不動産を賃貸していた場合や不動産の譲渡所得がある場合
  • 被相続人がサラリーマンだったときに、給与所得が2,000万円を超えている場合
  • 1ヶ所から給与の支払を受けていた人で、給与所得および退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合
  • 2ヶ所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える場合
  • 被相続人が同族会社の役員等でありその同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っていた場合 
  • 被相続人が会社の役員や従業員であり、会社側が死亡時点で年末調整を行わなかった場合 
  • 被相続人が医療費控除の対象となる高額の医療費を支払っていた場合

被相続人が年金(のみ)受給者であっても、年金収入金額および各種所得控除額等を考慮して納税額が算出される場合には確定申告が必要になります。

配当所得の取り扱い

相続の開始日前後に支払われる配当金の取り扱いについては、開始日と配当金交付の基準日(基準日)や
配当金交付の効力が発生する日(確定日)との前後関係により取り扱いが変わります。

  • 相続開始日が確定日の後の場合は、被相続人の配当所得となりますので準確定申告の対象となります。
  • 相続開始日が基準日と確定日の間の場合は、相続人の配当所得となりますので準確定申告の対象とはなりません。

なお、基準日の翌日から確定日までの間における配当金を受けることのできる権利を配当期待権といい、これは相続税の対象となります。相続開始日が基準日の前の場合は、相続人の配当所得となりますので準確定申告の対象とはなりません。

不動産所得の取り扱い

不動産所得は、不動産賃貸料などの計上時期により取り扱いが変わります。不動産所得の収入に計上すべき時期は「原則として契約等により支払日が定められているものはその支払日」とされています。(所得税基本通達36-5)

ただし、一定の要件に該当した場合には発生主義で計上することも認められています。(昭和48年11月6日申告所得税関係個別通達2-78)

  • 発生主義とは、現金の収支とは関係なく、収益または費用をその発生を意味する事実に基づいて計上する方法です。要するに、取引が成立(発生)したときに売上を計上する方法です。
  • 現金主義とは、現金収入があったときに収益を計上し、現金支出があったとき費用をに計上する方法です。つまり、収益は取引の成立時にかかわらず、現金入金がされたときに売上を計上します。
譲渡所得の取り扱い

譲渡所得において、総収入金額の収入にすべき時期は資産の引渡しがあった日によることが原則ですが、納税者の選択により契約の効力発生の日による申告があった場合はこれを認めることとされています(所得税基本通達36-12)

資産の譲渡契約後、引渡し前に相続が開始された場合、収入すべき時期により取り扱いが変わりますので留意が必要です。

  • 「引渡基準による場合」は相続人の譲渡所得となり準確定申告の対象となりません。
  • 「契約基準による場合」は被相続人の譲渡所得となり準確定申告の対象となります。
雑所得の取り扱い

__sozai__/0012127.png未支給年金請求権
国民年金や厚生年金等は死亡した月の分まで支払われます。被相続人に支払われるはずであった年金が残っているときは、相続の開始後に遺族が請求することによって遺族にその分の年金(未支給年金)が支払われることになります。

この未支給年金は被相続人の本来の財産にはなりません(最高裁判決平成7年11月7日)ので、それを受給した相続人の一時所得になります。したがって、準確定申告の対象となりません。

__sozai__/0012127.png還付加算金
準確定申告書の提出により所得税が還付された場合、還付加算金が発生することもあります。還付加算金は還付金に付される一種の利息と解され、相続人が準確定申告書を提出したことにより原始的に取得するものであり相続人の雑所得になるのです。したがって、準確定申告の対象となりません。(所得税基本通達35-1(5)

なお、還付金請求権は相続財産のため、これに基づき還付された金額は相続税の課税対象となります。

必要経費の取り扱い

__sozai__/0012127.png固定資産税
固定資産税は1月1日の賦課期日の所有者に課税されますが、納税通知書が納税者に交付されることにより具体的金額が確定します。

業務用資産にかかる固定資産税を不動産所得の必要経費に算入する場合、納税通知が相続開始日の前後どちらで交付されたかにより取り扱いが変わりますので留意が必要です。

  • 開始日前に納税通知が交付された場合は被相続人の必要経費となりますので、準確定申告で被相続人の必要経費に算入することになります。
  • 開始日後に納税通知が交付された場合は(被相続人の事業を引き継いだ)相続人の必要経費となりますので、確定申告で相続人の必要経費に算入することになります。

__sozai__/0012127.png事業税
事業を廃止した後において、その事業に係る費用または損失でその事業を廃止しなかったとしたならばその年分以降に算入されるべき必要経費がある場合には、その廃止した日の属する年分の必要経費に算入する特例があります。(所得税法第63条)

したがって、その廃止した日の属する年の所得に課税される事業税は、事業税の課税見込額を当該年分の必要経費に算入して準確定申告することができます。(所得税基本通達37-7)

廃止した日の属する年に課税見込額を計上しない場合は、賦課決定のあった日の翌日から2ヵ月以内にその準確定申告について更正の請求をすることができます。(所得税法第152条)

各種所得控除の取り扱い

__sozai__/0012127.png雑損控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄付金控除
その年の1月1日から死亡日までに受けた災害や支払った金額が基礎となります。

__sozai__/0012127.png障害者控除・寡婦(寡夫)控除・勤労学生控除
納税者が死亡した場合、その死亡した時の現況により障害者、寡婦(寡婦)、勤労学生の適用関係を判断します。

__sozai__/0012127.png配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除
納税者が死亡した場合、その者の配偶者・その他の親族が控除対象配偶者・生計を一にする配偶者・生計を一にする扶養親族などに該当するかどうかはその死亡の時の現況により判定されます。

なお、合計所得金額は、その死亡の時の現況により見積もったその年の1月1日から12月31日までの当該親族等の金額により判定されます。(所得税基本通達85-1)

夫が死亡した時点では、専業主婦であったため配偶者控除の適用をして準確定申告をし、その後、以前勤務していた会社に復職することができたため配偶者控除の適用となる合計所得金額要件から外れた場合、準確定申告について修正申告は必要ありません。

このような偶発的な事由により、合計所得金額が適用となる限度を超えた場合は判定上影響させないものとされています。

__sozai__/0012127.png医療費控除
その年の1月1日から死亡日までに支払った金額が基礎となります。

<例>入院中の父親が9月15日に死亡した場合
8月分の入院費用100万円は9月10日に父親が支払い、9月1日から15日までの入院費用50万円は父親と生計を一にしている長男が9月20日に支払ったケース。

この場合の医療費控除の適用ですが、100万円は父親の準確定申告で医療費控除の適用を受け、50万円は長男の確定申告で医療費控除の適用を受けることになります。

なお、医療費控除は現実に支払った医療費が対象となり、未払いとなっているものは対象となりません。

準確定申告をする場合の様式と届出

準確定申告においては、通常の確定申告書の様式に追加して「死亡した者の平成○○年分の所得税の確定申告書付表」が必要となります。

提出先は被相続人の死亡当時の納税地の税務署です。

個人が被相続人から事業を承継した場合には、届出書を提出しなければならないことがあります。基本的には個人が新規に事業を開始した場合と同様です。青色申告の承認を受ける場合は、所得税の青色申告承認申請書を提出します。

通常、青色申告をしようとする者は申告しようとする年の3月15日(業務を開始した日がその年1月16日以後である場合は2ヶ月以内)までに申請書を提出しなければなりません。

ただし、被相続人が青色申告者で相続人が事業を営んでいない場合には、青色申告承認申請書の提出期限は準確定申告書の提出期限と同一になります。(所得税基本通達144-1)

遺産が未分割の場合の取り扱い

未分割遺産の収益の帰属は「事業から生ずる収益」と「資産から生ずる収益」により異なります。

  • 事業から生ずる収益は、その事業を承継した者に帰属します。
  • 資産から生ずる収益は、法定相続分に応じてその相続人に帰属することになります。(遺言による指定がない場合)

 



                    

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遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)の手続き

「被相続人の遺族」に給付される年金を「遺族年金」といいます。遺族年金には以下のものがあります。

遺族基礎年金とは・・

__sozai__/0012127.png遺族基礎年金の受給資格
遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であった者が次の要件のいずれかに該当する場合に、その者の又は子に支給されます。

ただし、以下の要件の1または2に該当する場合は、別途遺族基礎年金の保険料納付要件を満たすことが必要となります。

  1. 国民年金の被保険者が死亡したとき 
  2. 国民年金の被保険者であった者であって日本国内に住所を有しかつ、60歳以上65歳未満であるものが死亡したとき 
  3. 老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき 
  4. 老齢基礎年金の受給資格期間を満たした者が死亡したとき 

__sozai__/0012127.png 遺族基礎年金の保険料納付要件
遺族年金受給資格の1又は2に該当する場合は、死亡した者の保険料納付要件が必要となります。

具体的には、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、その被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間がその被保険者期間の3分の2以上を満たしていることが必要です。

経過的措置として、原則的な保険料納付要件を満たさなかった場合の例外があります。

  • 平成28年4月1日前に死亡した者の死亡については、死亡日の前日において死亡日の属する月の前々月までの1年間(死亡日において国民年金の被保険者でなかった者については、死亡日の属する月の前々月以前における直近の国民年金の被保険者期間に係る月までの1年間)のうちに保険料の滞納期間がなければ保険料納付要件を満たすことになります。
  • 死亡日において65歳以上であるときは、この経過措置は適用されません。 

__sozai__/0012127.png 遺族基礎年金の遺族の範囲
遺族基礎年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の妻」又は「子」であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、次の要件に該当した場合に支給されます。

  1. 妻について
    被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し、かつ、要件2の子と生計を同じくすること。 
  2. 子について
    18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満で障害等級1級または2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。

事実婚の妻は、遺族基礎年金を受給することができる妻に含まれますが、親子関係については、「事実上の親子関係」は受給できる遺族に含まれていません。

よって、亡くなった夫と妻の連れ子について養子縁組を組んでいない場合は、遺族基礎年金を受給できる子には該当しません。(ただし、認知された子の場合は遺族に含まれることになります。) 

__sozai__/0012127.png 遺族基礎年金の額
「妻に」支給される遺族基礎年金の額
「基本年金額+子の加算額」となります。 

  • 基本年金額:792,100円 
  • 子の加算額:1人目、2人目までは、1人につき227,900円、3人目以降は1人につき75,900円 

「子に」支給される遺族基礎年金の額
ひとりの子の場合は、基本年金額のみが支給され子の加算はありません。子が2人以上いるときは、基本年金額に、2人目の子については227,900円を加算し、3人目以降の子については1人につき75,900円を加算し、最後に年金を受ける子の数で割った額が1人あたりの年金額となります。

  • ひとりの子:基本年金額792,100円
  • 2人目の子については、227,900円を加算、3人目以降の子は1人につき75,900円を加算します。

妻に支給される遺族基礎年金の改定
遺族基礎年金の受給権を有する子の数に増減を生じたときは、増減を生じた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額が改定されます。妻が遺族基礎年金の受給権を取得した当時、胎児であった子が出生したときは、増額改定が行われます。

子が2人以上いる場合で、その子のうち1人を除いた子の1人又は2人以上が次の1からのいずれかに該当したきは、その該当月の翌月から、子の数に応じて年金額が改定されます。(減額改定)

  1. 死亡したとき。 
  2. 婚姻(届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。以下同じ)をしたとき。
  3. 妻以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様     の事情にある者を含む。以下同じ。)となったとき。 
  4. 離縁によって、死亡した被保険者又は被保険者であつた者の子でなくなったとき。
  5. 妻と生計を同じくしなくなったとき。 
  6. 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、障害等級に該当する障害の状態にあるときを除く。 
  7. 障害等級に該当する障害の状態にある子について、その事情がやんだとき。ただし、その子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるときを除く。 
  8. 20歳に達したとき。

子に支給される遺族基礎年金の改定
子に支給される遺族基礎年金は、遺族基礎年金の受給権を有する子の数に増減を生じたときは、増減を生じた日の属する月の翌月から、遺族基礎年金の額が改定されます

族厚生年金とは・・

__sozai__/0012127.png 遺族厚生年金の受給資格
遺族厚生年金は、厚生年金の被保険者又は被保険者であった者が、以下の1〜4のいずれかに該当する場合にその遺族に支給されます。ただし1又は2に該当する場合は、別途遺族厚生年金の保険料納付要件を満たすことが必要となります。

  1. 厚生年金保険の被保険者が死亡したとき(短期要件) 
  2. 厚生年金保険の被保険者であった期間中に初診日がある傷病により、その初診日から5年以内に死亡したとき(短期要件) 
  3. 障害等級1級又は2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したとき(短期要件)
  4. 老齢厚生年金の受給権者又は老齢厚生年金の受給資格期間を満たした者が死亡したとき(長期要件) 

__sozai__/0012127.png 遺族厚生年金の保険料納付要件

遺族厚生年金の受給資格の上記1又は2に該当する場合は、死亡した者の保険料納付要件が必要となります。

具体的には、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、その被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間がその被保険者期間の2/3以上を満たしていることが必要です。

経過的措置として、原則的な保険料納付要件を満たさなかった場合の例外があります。

  • 平成28年4月1日前に死亡した者の死亡については、死亡日の前日において死亡日の属する月の前々月までの1年間(死亡日において国民年金の被保険者でなかった者については、死亡日の属する月の前々月以前における直近の国民年金の被保険者期間に係る月までの1年間)のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の国民年金の被保険者期間がなければ、保険料納付要件を満たすことになります。
  • 死亡日において65歳以上であるときは、この経過措置は適用されません。 

__sozai__/0012127.png遺族厚生年金の遺族の範囲
遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者(内縁を含む)、子、父母、孫又は祖父母です。ただし、妻以外の者は、以下の要件に該当した場合に限られます。

  1. 夫、父母又は祖父母については、被保険者(被保険者であった者)の死亡の当時55歳以上であること。(ただし60歳までは支給停止となります) 
  2. 子又は孫については、被保険者(被保険者であった者)の死亡の当時18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態 にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと。

「父母は配偶者又は子」「孫は配偶者・子又は父母」「祖父母は配偶者・子・父母又は孫」が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができません。

つまり優先順位は以下のようになり、労災保険の遺族補償年金のように転給の制度はありません。

  1. 配偶者と子
  2. 父母
  3. 祖父母

遺族補償年金の転給
受給資格者のうち、実際に遺族補償年金の支給を受けるのは受給権者のみですが、その受給権者が死亡等により失権した場合において同順位者がいないときには、次順位受給資格者が受給権者となり、遺族補償年金の支給を受けることができる、つまり受給権者が失権しても、最終的に受給資格者がいなくなるまで補償が続く制度が「転給」になります。

被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときは、その子は、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた子とみなし、遺族厚生年金の受給権が発生します。 

  • 遺族厚生年金の額
    __sozai__/0011814.gif 短期要件に該当する遺族厚生年金(@+A)
    @平成15年3月までの期間の計算式 
    平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者期間の月数×3/4
    A平成15年4月以後の期間の計算式 
    平均標準報酬月 ×5.481/1000×被保険者期間の月数×3/4

    ・短期要件に該当した場合、厚生年金の被保険者期間が300月に満たないときは300とします。つまり最低保証があるということになります。

    __sozai__/0011814.gif 長期要件に該当する遺族厚生年金(@+A)
    @平成15年3月までの期間の計算式 
    平均標準報酬月額×7.125〜9.5/1000×被保険者期間の月数×3/4
    A平成15年4月以後の期間の計算式
    平均標準報酬月 ×5.481〜7.308/1000×被保険者期間の月数×3/4

    ・上記計算式の7.125〜9.5/1000や5.481〜7.308/1000については、生年月日による読み替え規定があります。短期要件のような、最低保障(300月保障)はありません。
     
  • 65歳以上の老齢厚生年金と遺族厚生年金の関係
    65歳以上で老齢厚生年金の受給権を有し、かつ、配偶者の死亡による遺族厚生年金の受給資格も有する場合の遺族厚生年金の額は、次の多い方の額となります。
    ・自身の老齢厚生年金
    ・上記の計算式で計算した遺族厚生年金の額
    ・遺族厚生年金×2/3+老齢厚生年金(加給年金を除く)×1/2

  •  中高齢の寡婦加算
    長期要件に該当する遺族厚生年金の場合、死亡した者の厚生年金保険の加入期間(被保険者期間)が240月(中高齢特例あり)以上であるときに、遺族厚生年金に中高齢の加算が行われます。
    ・短期要件に該当する遺族厚生年金の場合は、死亡した者の厚生年金保険の加入期間(被保険者期間)は問われません。
    ・中高齢の寡婦加算が行われるのは、40歳以上65歳未満の妻であり、金額は、遺族基礎年金(子の加算を含まない基本年金額)の4分の3相当額となります。
婦年金・死亡一時金

__sozai__/0012127.png 寡婦年金の受給資格

寡婦年金は以下の条件を満たしたとき支給されます。

  • 死亡した夫が、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの「国民年金の第1号被保険者」としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が、25年以上である場合。
  • 死亡した夫が、保険料納付済期間又は学生免除期間、若年免除期間「以外」の保険料免除期間を有する場合。
  • 夫の死亡の当時夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係(事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む)が10年以上継続したこと。
  • 65歳未満の妻。
  • 妻自身が繰り上げ支給の老齢基礎年金の受給権者でないこと。

その夫が障害基礎年金の受給権者であったことがあるとき、又は老齢基礎年金の支給を受けていたときは、支給されません。

__sozai__/0012127.png 寡婦年金の支給期間

  • 夫の死亡当時、60歳未満の妻に支給する寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から、65歳に達する日の属する月まで支給されます。
  • 夫の死亡当時、60歳以上の妻に支給する寡婦年金は、夫の死亡日の属する月の翌月から、65歳に達する日の属する月まで支給されます。

寡婦年金の年金額寡婦年金の額は、死亡日の属する月の前月までの国民年金の第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間及び保険料免除期間につき、老齢基礎年金の年金額の4分の3に相当する額となります。

__sozai__/0012127.png 寡婦年金の支給停止 

寡婦年金は、夫の死亡について労災保険の遺族補償が行われるべきものであるときは、死亡日から6年間、支給停止となります。
寡婦年金の受給権は、受給権者が次の要件のいずれかに該当したときは消滅します。

  • 65歳に達したとき
  • 死亡したとき
  • 婚姻をしたとき
  • 直系血族又は直系姻族以外の養子となったとき
  • 繰り上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき

__sozai__/0012127.png 死亡一時金

「死亡一時金」とは、第1号被保険者(任意加入被保険者を含みます)としての保険料納付月数が36ヶ月以上ある人が「老齢基礎年金」「障害基礎年金」のいずれも受けずに死亡したときに遺族に支給されるものです。この36ヶ月には第3号被保険者期間は含まれません。

  • 受給できる遺族の範囲
    死亡した人と生計を同じくしていた@配偶者A子B父母C孫D祖父母E兄弟姉妹の順番になります。
  • 遺族基礎年金を受けられる人がいるときは、支給停止になります。
  • 死亡一時金と寡婦年金を両方受給できる場合は、受給権者の選択によりいずれか1つが支給されます。
  • 一時金の額は保険料納付月数により「12万円〜32万円」になります。

 



                  

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遺産の分割について相続人の間で話し合いがつかないときの調停・審判(参考)

__sozai__/0011816.png遺産の分割は、被相続人(亡くなった方)の遺言による指定があるときはこれに従い、指定がないときは共同相続人の協議により遺産を分割することができます。

しかしその遺産の分割について、例えば妻には建物、長男には土地、長女には現金〇〇万円と有価証券などと相続人間で協議が行われても、なかなか話し合いがつかないケースも少なくありません。

このような場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用するとよいでしょう。

調停手続きは「相続人」または「包括受遺者:遺言書で1/3というように割合を示して遺産を与えられた者」などのうちの1人、もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として、家庭裁判所に申し立てることにより開始されます。

当事者たちの合意により調停が成立した場合、その合意内容は確定判決と同一の効力を持ちます。調停不成立の場合には、自動的に審判手続きが開始され、家事審判官(裁判官)が審判することになります。

__sozai__/0011816.png申立人は以下の書類を揃えて、相手方のうち1人の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所に提出します。

  • 遺産分割協議調停申立書(相続関係図・申立ての実情・特別受益目録)
  • 被相続人の出生から死亡までの連続した除籍謄本,改製原戸籍謄本等、戸籍謄本類全て(原本)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本(3か月以内の原本)
  • 被相続人の住民票除票(廃棄済の場合は戸籍の附票)
  • 相続人全員の住民票(3か月以内の原本)
  • 遺産目録
  • 登記簿謄本又は登記事項証明書(3か月以内の原本)
    法務局で取得します。未登記物件については固定資産評価証明書を用意します。
  • 固定資産税評価証明書(3か月以内の原本)
    市区町村役場で取得します。
  • 公図(写しに建物配置を書き込んだもの)又は住宅地図(住居表示のされているもの)
    必要に応じて法務局で取得します。
  • 預貯金の通帳,証書の写し又は残高証明書を取引のある金融機関で取得します。
    残高証明書を取得する際の注意としては以下の通りです。
    ・死亡日の残高でなく、現時点での残高を記載してもらう。
    ・口座番号を記載してもらう。
    ・口座がいくつかある場合には、口座番号毎に残高を記載してもらう。
    ・定期預金等がある場合には、元金の額だけでなく現時点で解約した場合の税引き後の利息額も記載してもらう。
  • 株式の預り証又は残高証明書
  • 自動車の登録事項証明書を運輸支局等で取得します。車検証写し
  • 相続税の申告書写し(相続税の申告をしている場合) 
  • 包括受遺者が当事者となる場合は遺言書の写し
  • 相続人以外の当事者(相続分譲受人・相続人の債権者など)につきその地位を証明する資料

__sozai__/0011816.png申立て費用

  • 収入印紙:被相続人1名につき1,200円
  • 予納切手80円と10円各20枚 
  • 遺産の鑑定を要する場合はその鑑定費用

__sozai__/0012127.png遺産分割調停に際してのポイント
__sozai__/0011814.gif相続人を確定する!
遺産分割は被相続人の相続人全員が参加して行う必要があります。

  1. 行方不明の相続人がいる場合、戸籍や住民票などで調査を尽くしても行方不明のときは、まず「不在者財産管理人(行方不明の方の財産を管理する人)の選任」という手続が必要です。(7年以上生死が不明な場合には「失踪宣告」という手続も可能です)
  2. 相続人の中に、認知症や重い病気などのために自分で判断する力のない人や判断力に問題のある人がいる場合、まず「成年後見手続き:判断力に問題のある方を補助する人を選ぶ手続き」が必要になります。
  3. 養子縁組や結婚について「無効」だという主張をする場合にその効力を争うのであれば、養子縁組無効や婚姻無効について人事訴訟という裁判をする必要があります。
  4. 相続人の中に未成年者がいる場合、未成年者については親権者が法定代理人として遺産分割手続に参加することになります。しかし、親権者が未成年者ともども相続人になった場合や同じ親権者を持つ複数の未成年者が相続人になる場合には、利害対立が起こるおそれがあるので未成年者の方のために「特別代理人:その遺産分割事件について親権者に代わって未成年者を代理する人」を選ぶ手続きが必要です。

__sozai__/0011814.gif遺言書や遺産分割協議書の存在の確認する!
遺産分割協議は分け方の決まっていない遺産について行います。有効な遺言がある場合はその遺言の内容が優先されます。遺言や遺産分割協議書により遺産全部の帰属が決まっている場合は、原則的に遺産分割を行う余地はありません。

  • 遺言で遺産全部の帰属が決まったが、自分の取り分が法律の決めた最低保障分(遺留分)に足りないのでその分をもらいたいという場合は「遺留分減殺」の調停をすることになります。
  • 遺言や遺産分割協議書に書かれていない行き先未定の財産がある場合には、遺産分割手続が可能です。
  • 遺言や遺産分割協議が無効だとの主張があり相続人間で争いになった場合には、無効かどうかを決める民事裁判を先に行って遺産分割できるかどうかをはっきりさせる必要があります。

__sozai__/0011814.gif遺産の範囲が確定しているか!
遺産分割とは、被相続人の遺産を相続人の方に分配する手続です。既に解約や引き出しされて存在しなくなってしまった預金などをまだ存在するかのように扱って誰かに割り当てていたり、他人名義の不動産を誰かに割り当ててしまい、名義人と割り当てられた人の間で所有権について紛争になると、割り当てられた相続人が大変な迷惑を受けることになってしまいます。ですから、遺産として分割して大丈夫かどうかということをよく確認する必要があるのです。

  • 「遺産の中に被相続人以外の方の名義のものや所有者について争いがある財産があるとき」
    他人名義のものについては名義人が遺産であることを争っている場合、「遺産確認の訴え」という民事裁判により遺産であることをはっきりさせておく必要があります。
  • 「無断解約や引き出し等された預貯金を捜すことを目的として遺産分割の申立てをするとき」
    預貯金が被相続人の生前や死後に無断で解約や引き出しされた場合、その責任を追及するための手続は遺産分割手続きではなく「不当利得返還請求訴訟」という民事裁判になります。
    この裁判では「解約等された額×あなたの法定相続分の金額」を解約等した人に請求することになります。
    取り扱う裁判所は、請求する額によって違いますが簡易裁判所又は地方裁判所となります。(例外もあります)

 



                    

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相続・遺言、親子関係に関する調停・審判の手続き(参考)

相続に関する「審判」事件の手続き

__sozai__/0012127.png相続放棄の申述
相続の放棄は、家庭裁判所に対する申述という方式をとらなければなりません。

  • 申述権者:相続人 
    不在者の相続放棄の場合は、家庭裁判所の許可を得て不在者財産管理人が申述します。
  • 申述期間:相続開始を知った日から3ヶ月以内
  • 管轄:相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所
  • 申述費用:収入印紙(申述人ごと)800円、予納郵便切手80円10枚
  • 添付書類:申述人の戸籍謄本(記載事項証明書)・認印・被相続人の戸籍謄本(記載事項証明書)、除籍謄本、改製原戸籍謄本、住民票の除票
  • 申述書の記載
    申述書には原則として本人又は代理人(任意代理人を含む)の自署を要します。提出は郵送でも持参でも可能です。
  • 審判手続き
    申請を行うと家庭裁判所より幾つかの質問が送付されます。家庭裁判所は事件の関係人の申立てによりこれを相当と認めるときは、相続放棄申述受理証明書を交付します。

 __sozai__/0011816.png相続放棄申述受理証明書

  • 相続開始に伴って遺産の名義変更などを行う際、一部の相続人が相続放棄をしたことを証明する書面の添付が必要になることがあります。
    相続放棄申述受理「通知書」つまり、あなたの相続放棄申述を受理しましたという通知書をこの証明書として利用することはできないので、相続放棄申述受理「証明書」を取得しなければなりません。

 __sozai__/0011816.png相続放棄取消申述書

  相続放棄の申述が家庭裁判所によって受理されて相続放棄の効力を生じた場合、他の
  相続人や第三者の地位を不安定にしないために、その撤回は許されないのが原則です。

  • 次の場合はその取消しを家庭裁判所に申述することが認められています。
    ・未成年者が法定代理人の同意を得ないでした場合
    ・成年後見人本人がした場合
    ・被保佐人が保佐人の同意を得ないでした場合 
    ・詐欺又は強迫による場合
    ・後見監督人がある場合、被後見人又は後見人がその同意を得ないでした場合
  • 申述権者:相続放棄を申述した者又はその法定代理人
  • 申述期間:取消しの申述は、追認をすることができる時から6ヶ月間行使しないとき、又は放棄のときから10年を経過したとき時効によって消滅します。
  • 添付書類:申述人・被相続人の戸籍謄本、相続放棄申述受理証明書 

__sozai__/0012127.png不在者財産管理人選任審判申立て
不在者とは従来の住所又は居所を去って容易に帰来する見込みのない者をいい、必ずしも生死不明であることを要しません。申立て手続きは以下のようになります。

  • 申立て権者:利害関係人又は検察官
  • 管轄:@不在者の住所地の家庭裁判所A不在者の居所地の家庭裁判所 B不在者の最後の住所地の家庭裁判所C財産の所在地の家庭裁判所又は東京都千代田区を管轄する東京家庭裁判所
  • 申立て費用:収入印紙800円、与納郵便切手80円10枚
  • 添付書類:@申立人の戸籍謄本A不在者の戸籍謄本、戸籍の附票謄本B不在を証する書面 C財産管理人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、登記されていないことの証明書D不動産の登記事項証明書E財産目録 

__sozai__/0012127.png推定相続人廃除審判申立て
廃除の事由は、@被相続人に対する虐待・侮辱A推定相続人のその他の著しい非行です。廃除の対象となるのは、遺留分を有する推定相続人ですから、遺留分を有しない兄弟姉妹や遺留分を放棄した者や先順位の子がある場合における第2順位相続人の直系尊属は廃除の対象となりません。
被相続人が遺言で推定相続人を廃除したときは、遺言執行者は、被相続人の死後、速やかに家庭裁判所に廃除の申立てをしなければなりません。

__sozai__/0012127.png遺産管理人選任審判申立て
被相続人死亡後に推定相続人廃除又はその取り消しの審判が確定すると、被相続人の死亡の時に遡って廃除又はその取り消しの効力が生じます。
このような場合に生ずるおそれのある遺産の帰属をめぐる紛争を防止するため、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求により、遺産の管理に関し必要な処分をすることができます。

__sozai__/0012127.png相続の承認・放棄の期間伸長審判申立て
相続人は、相続を承認するか放棄するか自由に選択することができますが、相続人が被相続人の死亡を知り、かつ、そのため自己が相続人になったことを覚知したときから起算して3ヶ月の熟慮期間に、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければなりません。
熟慮期間中に相続人が相続財産の状況を調査しても、なお、相続の承認・放棄を決定できない場合には、熟慮期間を伸長することができます。相続人が数名ある場合、熟慮期間は各別に進行するので、期間の伸長は相続人ごとにされなければなりません。

__sozai__/0012127.png相続財産管理人選任審判申立て(相続人による遺産の管理が困難な場合)
 以下の場合における相続財産の管理に関する処分の申立てになります。

  • 相続人が相続の承認・放棄の熟慮期間中にある場合
  • 相続人が限定承認をした場合
  • 先順位の相続放棄によって相続人となった者が相続財産の管理をすることができない場合

__sozai__/0012127.png相続財産管理人選任審判申立て(相続人不存在の場合)

相続人の不存在とは、通常戸籍上、相続人の存在・不存在が不明のときをいいますが、相続人全員が相続を放棄した場合も同様です。

__sozai__/0012127.png相続の限定承認申述書
相続の限定承認とは、相続人の相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保してする相続の承認方法です。

__sozai__/0012127.png相続の限定承認取消申述書

  • 取消事由は以下のものがあります。
    ・未成年者が法定代理人の同意を得ないでした場合 
    ・成年後見人本人がした場合
    ・被保佐人が保佐人の同意を得ないでした場合 
    ・詐欺又は強迫による場合 
    ・後見監督人がある場合、被後見人又は後見人がその同意を得ないでした場合
  • 取消期間:限定承認の取消権は、追認をすることができる時から6ヶ月間行使しないとき、又は限定承認のときから10年を経過したとき時効によって消滅します。

__sozai__/0012127.png不在者財産管理人の権限外行為許可審判申立て

  • 管理人の権限を越える行為は以下のものです。
    ・売買、交換
    ・抵当権の設定
    ・賃借権の設定、更新
    ・遺産分割
     (遺産分割協議書を審判に添付して遺産分割を許可する方法が行われています)
    ・訴訟行為
    ・相続放棄
    ・扶養料の支払
  • 管理人の権限に属するものとされる行為は以下のものです。
    ・不在者本人が売却した不動産の所有権移転登記手続き
    ・期限の到来した債務の弁済

__sozai__/0012127.png相続財産の分離審判申立て(第一種財産分離の場合)
相続が開始した場合、相続債権者・受遺者・相続人の債権者は、相続財産及び相続人の財産から弁済を受けることになります。
相続人の債権者は相続財産からも弁済を受けられるので、相続人の財産が債務超過の場合、相続債権者や受遺者は不利益を被ることになります。
このような場合、債権者間の衡平を図るため、相続債権者・受遺者の申立てにより相続財産と相続人固有の財産を分離し、相続財産の清算を行う手続を第一種財産分離といいます。                    

  • 申立権者:相続債権者又は受遺者
  • 申立期間:相続開始の時から3ヶ月以内、3ヶ月経過後でも相続財産が相続人の固有財産と混同しない間は請求できます。

__sozai__/0012127.png相続財産の分離審判申立て(第二種財産分離の場合)
第二種相続財産分離は、相続財産が債務超過の場合、相続人の債権者の利益を保護するため、その申立てにより行われます。                                    

  • 申立権者:相続人の債権者
  • 申立期間:相続人が限定承認をすることができる間、又は相続財産が相続人の固有財産と混同しない間に請求します。

__sozai__/0012127.png相続財産管理人の権限外行為許可審判申立て
相続人のあることが明らかでない場合に、選任された相続財産の管理人の権限は、原則として保存行為、利用行為、改良行為に限られ、管理財産の売却など定められた権限を越える行為を必要をするときは、管理人は家庭裁判所の許可を得てしなければなりません。  

                                  
__sozai__/0012127.png鑑定人選任審判申立て(管理人の存続期間不確定債務等の弁済の場合)
相続人不存在の場合、家庭裁判所の管理人選任公告後、2ヶ月以内に相続人が現れなかったときは、管理人は家庭裁判所の監督の下に清算手続きに着手します。
管理人は一定の期間(2ヶ月以上)内に一切の相続債権者及び 受遺者に対し、請求の申し出をするように官報に公告し、また知れた債権者及び 受遺者に対しては各別に債権を申し出るように催告します。                      
__sozai__/0012127.png相続人捜索の公告申立て
相続人不存在の場合、家庭裁判所の管理人選任公告後、2ヶ月以内に相続人が現れなかったときは、管理人は相続債権者及び受遺者に対し、債権申出の公告をします。
その申出期間は2ヶ月を下回ることができず、その期間を経過しても相続人が不明のときは、家庭裁判所は、相続財産管理人又は検察官の請求により、相続人があるならば一定の期間内(6ヶ月を下回ることはできない)にその権利を主張すべき旨を公告しなければなりません。

__sozai__/0012127.png特別縁故者に対する相続財産分与審判申立て
家庭裁判所の相続人捜索公告の期間内に相続人である権利を主張する者がなかった場合、家庭裁判所は、相当と認めるときは被相続人と特別の縁故のあった者の請求によって、その者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができます。
相続財産の分与に基づく財産の取得は、遺贈とみなされ、相続税法が適用されます。 

相続に関する「調停」事件の手続き

__sozai__/0012127.png遺産に関する紛争調整の調停申立て
遺産に関する紛争調整の調停は、一部の相続人間における遺産の有無あるいは遺産の範囲や帰属などを対象とします。これらの紛争は相続人全員が参加する遺産分割調停事件の中で処理することも可能です。

__sozai__/0012127.png相続回復請求の調停申立て
相続回復請求権は、真正相続人が相続権に基づいて、相続財産に対する不真正相続人の不法な侵害の排除を求める請求権です。

__sozai__/0012127.png遺産分割後の被認知者の価額請求の調停申立て
相続の開始後認知によって相続人となった者が、既に他の共同相続人間で遺産分割が終了している場合に、他の共同相続人に対して相続分に相当する価額の支払を請求する申立てです。
価額請求権は、相続回復請求権と同様、認知があった時から5年間行わないときは、時効によって消滅すると解されています。

__sozai__/0012127.png遺言の無効確認の調停申立て
遺言者の生存中は、遺言無効確認の訴えは許されません。また、心神喪失の常況にある遺言者の生存中の遺言の無効確認の訴えも不適法です。

  • 申立権者は、相続人、受遺者、遺言執行者、遺言について法律上の利害関係を有する者になります。

__sozai__/0012127.png 遺留分減殺による物件返還請求の調停申立て

遺留分減殺請求権は、権利者が相続の開始及び贈与や遺贈があったことを知った日から1年以内に行使しないと時効によって消滅します。
減殺請求を受けた者が「返還に応じない場合にする訴えや調停」は必ずしも1年以内にする必要はありません。 


__sozai__/0012127.png寄与分を定める処分の調停申立て

寄与分の定めは共同相続人の協議によるのが原則ですが、その協議が調わないとき、又は不在者などがいて協議ができないときは家庭裁判所に対し、寄与分を定める審判の申立てができます。

__sozai__/0012127.png遺産分割の調停申立て
遺産分割の実施には@遺言による分割A協議による分割B調停による分割C審判による分割があります。

__sozai__/0012127.png遺産分割の禁止の調停申立て
遺産分割の禁止期間は5年を超えることはできません。

__sozai__/0012127.png祭祀財産の承継者の指定の調停申立て
承継者の第一順位は被相続人に指定された者です。第二順位は祭祀を主宰すべき者、第三順位は家庭裁判所の調停又は審判で定められた者です。


__sozai__/0012127.png推定相続人廃除の調停申立て(生前の場合)

  • 申立権者:生前廃除の場合は被相続人。被相続人が被廃除者の法定代理人であるときは、特別代理人の選任が必要です。
  • 管轄:調停の場合は、相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所。審判の場合は、被相続人(申立人)の住所地の家庭裁判所

__sozai__/0012127.png推定相続人廃除の取消しの調停申立て(生前の場合)
被相続人は推定相続人を廃除しても、後にその効力を消滅させようと思えば、廃除事由が消滅しない場合でも、いつでも自由に廃除の取消しを家庭裁判所に申し立てることができます。


遺言及び遺留分に関する「審判」事件の手続き

__sozai__/0012127.png遺言の確認審判申立て

疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者は、証人3人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授して、遺言することができます。
この場合、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ又は閲覧させ各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名押印します。

  • 申立権者:立会い証人の1人又は利害関係人
  • 申立期間:遺言者の生死にかかわりなく、死亡危急遺言については遺言の日から20日以内。

__sozai__/0012127.png包括遺贈放棄申述書
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有するとされているので、相続の承認・放棄に関する規定が準用されます。

__sozai__/0012127.png 遺言書検認申立書
公正証書遺言を除く遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人は遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して検認を請求しなければなりません。
封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いのうえでなければ開封することができません。

  • 管轄:遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
  • 添付書類:申立人・遺言者(出生から死亡まで)・相続人全員の戸籍謄本、代襲相続の場合は被代襲者についても出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。

__sozai__/0012127.png遺言執行者選任審判申立て
遺言には、遺言の内容を実現するために遺言執行者を要するものと要しないものがあります。

__sozai__/0012127.png死因贈与執行者選任審判申立て
死因贈与執行者には、遺言執行者に関する規定が準用され、相続人の贈与物件の処分は執行を妨げる行為となります。
死因贈与執行者は、死因贈与に基づく不動産の所有権移転登記を申請する権限を有します。

__sozai__/0012127.png遺留分放棄の許可審判申立て

遺留分の生前放棄は家庭裁判所の許可を得なければなりませんが、相続が開始した後は、受遺者又は受贈者に対する意思表示により、遺留分権者は自由に遺留分を放棄することができます。

親子に関する「審判」「調停」事件の手続き

__sozai__/0012127.png特別代理人選任審判申立て(嫡出否認の場合)
子の嫡出性の否認権は子又は親権を行う母に対する訴えによっておこないます。親権を行う母がいないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければなりません。
子に意思能力がない場合は、親権を行う母が応訴しますが、@母の死亡・行方不明A母の親権喪失・辞任B父が親権者である時など、親権を行う母がいない場合には、家庭裁判所が選任した代理人が応訴します。@やAを原因として後見人が選任されている場合であっても、なお、特別代理人によって訴訟が追行されます。


__sozai__/0012127.png 特別代理人選任審判申立て(親権者と子の利益相反の場合)

__sozai__/0011816.png利益相反行為とされる具体的事例

  • 親権者と子との間の不動産売買、債権譲渡
  • 親権者の債務のために子を連帯債務者としたり、保証人としたりする行為
  • 親権者が第三者の債務につき、自己及び子を連帯保証人とし、その共有する不動産に抵当権を設定する行為 
  • 親権者が代表取締役をしている会社が負担する債務の担保として、子所有不動産に抵当権を設定する行為
  • 相続の放棄
  • 寄与分を定める処分
  • 遺産分割
  • 扶養の請求
  • 親権者と15歳未満の非嫡出子との養子縁組
  • 後見人がない場合における後見人と意思能力のない被後見人との養子縁組

__sozai__/0012127.png特別代理人選任審判申立て(利益相反が同一親権に服する数名の子の場合)
親権を行う者が数名の子に対して親権を行う場合において、その1名と他の子の利益が相反する行為については、不利益を受ける子について特別代理人を選任し、他方の子は親権者が代理します。

__sozai__/0012127.png子の氏の変更許可審判申立て
子が、父又は母と氏を異にする場合には、子は家庭裁判所の許可を得て入籍届をすることによって、その父又は母の氏を称することができます。
子の婚姻又は養子縁組のように子が、父又は母と氏を異にするに至った原因が子の側にあるときはこの規定はありません。父又は母が氏を改める身分行為としては、婚姻・離婚・養子縁組・離縁・生存配偶者の復氏・父母の氏を称する入籍などがあります。


__sozai__/0012127.png養子縁組許可審判申立て(未成年を養子とする場合)
未成年者養子についてはその福祉維持のため、縁組につき家庭裁判所の許可が必要です。

  • 自己又は配偶者(死亡配偶者を含まず)の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可を要しません。養子が15歳を超えているときは、養子本人が届出人となります。

__sozai__/0012127.png養子縁組許可審判申立て(後見人が被後見人を養子とする場合)
後見人と15歳未満の被後見人との養子縁組は、利益相反行為であるから、養子縁組のための特別代理人を選任し、後見人はこの特別代理人を代諾者として養子縁組届をすることになります。
つまり、後見人が未成年被後見人を養子とするときは「後見養子許可」と「未成年養子許可」を得なければなりません。ただし、特別養子についてはその必要はありません。

__sozai__/0012127.png渉外養子縁組許可審判申立て(外国人の養子になる場合)
日本人が外国人の養子となっても国籍の変動はなく、氏の変更もないから、養親の氏を称したいときは、家庭裁判所の許可を得て氏の変更の届出をします。

__sozai__/0012127.png養子の離縁後に未成年後見人となる者の選任審判申立て
養子の離縁後にその未成年後見人となるべき者を選任すべき場合は、以下のものがあります。

  • 養父母の離婚後、親権者である養親と離縁するとき
  • 養父母の一方の死亡後、生存養親と離縁するとき
  • 養父母と同時に離縁するとき

__sozai__/0012127.png死後離縁の許可審判申立て
縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁しようとするときは、家庭裁判所の許可が必要です。この死後離縁は、法定血族関係の消滅を目的としています。

  • 昭和63年1月1日前に成立した縁組で、前同日前に養子が死亡している場合であっても、養親は死後離縁許可申立てをすることができます。

__sozai__/0012127.png特別養子縁組審判申立て
特別養子縁組とは、実方の血族との親族関係が終了する縁組をいい、以下の要件のとき、家庭裁判所はその縁組を成立させることができます。

  • 養親となる者は配偶者のある者であって、夫婦の一方が他方の嫡出子を 特別養子とする場合を除いて、その双方が養親となること。
  • 養親の一方の年齢が25歳、他方は20歳に達していること。
  • 原則として、養子となる者の年齢が申立時に6歳未満であること。
  • 実父母による監護が著しく困難又は不適当であること、子の利益のために特に必要であると認める事情のあること。

__sozai__/0012127.png特別養子縁組の離縁審判申立て
養子と実父母及びその血族との間においては、特別養子縁組の離縁の審判が確定した日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係が生じます。

__sozai__/0012127.png離縁の調停申立て(一般調停の場合)
離縁の効力は以下の通りです。

  • 養親子関係、養親の血族と養子との親族関係は終了します。
  • 養子が養父母の双方と離縁した場合は、縁組前の氏に復します。ただし、夫婦共同縁組をした養親の一方のみと離縁した場合は、復氏しません。
  • 養子が縁組の日から7年後に離縁をした場合は、離縁の日から3ヶ月以内に離縁の届出をして、離縁の際に称していた氏を称することができます。
  • 養子が未成年であるときは実親の親権に服します。

__sozai__/0012127.png離縁の調停申立て(養子が15歳未満の場合)
養子が15歳未満であるときは、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべきもの(離縁代諾者)と協議して離縁します。

__sozai__/0012127.png胎児認知の届出と慰謝料請求の調停申立て
父は、母の承諾を得て胎児認知をすることができます。出生後の任意認知が不可能となる恐れがある場合、子は胎児認知により父の子としての地位を確実にしておくことができます。
日本人父が胎児認知した外国人母の子は、出生により日本国籍を取得します。

__sozai__/0012127.png嫡出否認の調停申立て

子が嫡出の推定を受ける場合、夫はこの推定を覆すために、嫡出否認の訴え又は調停の申立てをしなければなりません。

  • 夫が子の出生を知ってから1年以内にしなければ、父子間の嫡出親子関係が確定し、以後この関係を訂正できなくなります。

__sozai__/0012127.png親子関係不存在確認の調停申立て(出生届未了の場合)
「推定を受けない嫡出子の出生届」取り扱いは変更され、以下の通りになります。

  • 市区村長は、医師が作成した「懐胎時期に関する証明書」を添付した離婚後300日以内に生まれた子を、嫡出でない子又は後婚の夫を父とする出生届を審査し、離婚後に懐胎したと認める場合には、民法772条「婚姻成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消の日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」が及ばないものとして届出を受理することに変更されました。

__sozai__/0012127.png親子関係不存在確認の調停申立て
 (嫡出でない子が他人夫婦の嫡出子と記載されている場合)
虚偽の出生届に基づく親子関係存否の戸籍訂正について、その出生届に基づく戸籍記載には何らの身分法上の効果を伴わないから、直ちに戸籍法第113条の手続き(戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができます。

__sozai__/0012127.png認知の調停申立て
認知の方法には、@父が任意にする任意認知A審判でする審判認知B判決でする強制認知 があります。

__sozai__/0012127.png胎児認知の調停申立て
出生のときに父又は母が日本国民であるとき、子は日本国民とされます。日本人父が胎児認知した場合、法律上の親子関係が存在するので、胎児認知は子が生来的に日本国籍を取得する方法になります。

  • 現在は出生後に認知された子が所定の要件を備える場合、国籍取得の届出ができるようになりました。

__sozai__/0012127.png父の確定の調停申立て
女性が再婚禁止期間(前婚の解消又は取消しの日から6ヶ月)に違反して婚姻し、その婚姻届が誤って受理され、前婚解消又は取消しの日から300日以内、後婚の成立後200日以内に子が生まれると、その子は前婚の推定と後婚の推定を受けることになってしまいますので、調停を行います。





                    

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