FP(ファイナンシャルプランナー)からの厳選コラム!その1

 使える交渉術・10のキーポイント

ここでご紹介している方法や理論は、ご自身で行う離婚や交通事故での話し合いの際に知っておいて損はないと思われる 「交渉術10のキーポイント」 です。ご自身でこれは使えると思ったら、ぜひ実践してみてください。

 Humberger(ハンバーガー)話法
話しづらいマイナスの情報を伝えたい場合は、その前後に相手の気持ちをプラスにする言葉を使うようにします。例えば、

  • いつも丁寧に対応してくれてありがとう
  • できればもう少し早く教えてくれれば良かったんだけど
  • あなたならできると思うから次からお願いしますね。 

と言えば、頭ごなしの否定とならず、注意や忠告も聞いてもらいやすくなるのです。

 Yes,But 話法  
相手の意見に対して「違う」「ダメ」などネガティブな言葉をぶつけると、言われた方は反射的に不快感を覚えてしまいます。言われた方は否定されることによって余計に頑なになり、相手の言葉に否定的な姿勢になってしまうのです。これでは交渉が進まなくなってしまいます。そこで「イエス・バット法」という話法があります。これを相手が対立意見を言ったあとに使う場合、

  • うん(Yes)、そうだね。自分もそう思うと、相手の意見を一度受け止めたうえで、
  • でも(but)、自分はこう思うんだけど、どうかな?と自分の意見を提案します。

こうすることで自分の意見が通りやすくなるのです。

 Eye zone contact アイゾーンコンタクト  
アイゾーンコンタクトとは、交渉をするときに「アイゾーン」つまり、

  • 相手の眉間からのど元(相手が男性ならネクタイの結び目)あたりに視線を置いて話を進めるようにすることです。

相手を見るときに、

  • 眉間よりも上を見る」と見下している印象になり、
  • 「のど元より下を見る」とその人を受け入ていない印象を与えてしまうのです。 

 Sitting position 座り方の工夫 

 交渉時には、お互いの座り方(着座位置)しだいで相手方と話しやすさが違ってくるので注意をします。

  • 机をはさみ、互いに正面に向かい合わせに着座すると緊張する対立関係になってしまいますので、好ましくありません。
  • お互いに机の角をはさみ、斜めに向かい合う着座位置は中立の位置関係ですので話し易くなります。

対面に座った時に少しずれて着座すると、お互いの心臓と心臓が向き合う圧迫感の無い位置関係になり話し易くなります。

 Mirroring ミラーリング
ミラーリングとは、相手の動作に自分の動作を合わせる方法のことを言います。例えば、相手が足を組んだら自分も足を組み、相手が腕を組んだら自分も腕を組みます。つまり、

  • あなたの動きを相手の写し鏡のようにして合わせていきます。

この動作をさりげなく続けることで、無意識に相手とのラポール(円滑にコミュニケーションができる土台となる健全な人間関係のこと)の構築につなげることができます。ただ注意点としてはあまり露骨にやらないことです。相手が変だなと思わないようさりげなく、あるいは相手の動きに小さく合わせるようにします。このミラーリングにより相手は自分との一体感を無意識のうちに感じるようになるのです。

 Letter (オランダ語)レッテル効果
これは、あるレッテルを貼られた人は、そのレッテル通りの行動をとるようになるという効果を利用するものです。たとえば、離婚後、時間が経過するにつれて離婚時に決められた養育費の支払いが滞りがちな父親に対して、最初に次のような「レッテル」を貼ってしまうのです。

  • 「あなたは、子供のことを最優先に考えてくれる人だと思う」
    と言って子供を大切にするというレッテルを貼ると、
  • 「そうかもしれないな」となり、
  • 「だったら子供の養育費はきちんと払ってください」
    といえば
  • 「・・・・分かった」
    となります。

 Door in the face ドアインザフェイス
ドアインザフェイスとは、相手方に対していきなり高い要求を突きつけて、拒否されたらその要求を一気に下げて認めさせる交渉術です。相手は「断った」という罪悪感を持つので、それを利用して交渉するのです。

  • 例えば、離婚の際の養育費で考えると、あなたは月に7万円もらいたいとします。
  • そのとき相手には最初は、最低で10万円は欲しいと要求します。
  • 相手はそれを高いと言って断ってくるかもしれません。そしたら「10万は多かったけど、今度、私立高校へ入学するので大変だから、最低7万円は欲しい」と言いましょう。そうすると相手も認めてくれる可能性が高くなります。

 Foot in the door フットインザドア
フットインザドアとは、人間は最初の依頼を受け入れたら次の依頼を断りにくくなるという心理を利用した交渉術です。この交渉術は、前述の 「ドアインザフェイス」 と逆のようなテクニックですが、日常生活も、あなたが気づいていないだけで実によく使われているものです。やり方としては、まず相手に小さな要求を受け入れてもらいます。そして、その後に本当の狙いである大きな要求を受け入れてもらうのです。例えば、 

  • 「養育費だけど月々5万円はちょうだいね」
  • 「5万円か、まあいいよ」
  • 「でもやっぱり、もうすぐ娘も中学生になるし受験とかで大変だから7万円にして」
  • 「・・・・わかったよ」 

となります。この時、最初の小さな要求と大きな要求の間に差がつけすぎないように注意します。そうでないと相手方が要求を受け入れる可能性が低くなるからです。

 マイナス・プラス法

人の心理は後半に聞いたことのほうが強く印章に残る傾向がありますよい話と悪い話の両方をしなければならない時に、最初にマイナス面を述べ、後からプラス面と述べるようにします。

 Rapport ラポール 
心理学の分野にラポールと呼ばれる状態があります。ラポールとは、仏語で「橋を架ける」と言う意味で「人の心と人の心との間に橋が架かった状態」のことを言います。このラポールをうまく構築できなければコミュニケーションを円滑に図ることが難しくなります。ラポールは、

  • 何かを一緒に成し遂げたとき
  • 喧嘩のあと
  • 共通の話題のあと

などに構築されます。実際には、挨拶を交わしたり、趣味の話をしたり、そういったことの積み重ねで徐々にラポールは構築されていきます。大事なことはラポールがかかった状態になると、人は相手の言うことをよく聞き、よく理解しようとするようになるということです。信頼関係が構築されより感情の変化を与えやすく、相手をアクションへと誘導しやすくなるのです。


 団体信用生命保険

団体信用生命保険(団信)とは、被保険者である住宅ローンの契約者等が返済途中で死亡、または高度障害状態となった場合に、残債相当の保険金が保険の契約者である金融機関に対して支払われ、これにより残債務が弁済される仕組みの生命保険です。

__sozai__/0012127.png 団信の支払い対象となる高度障害状態(機構団信)

  • 両眼の視力を全く永久に失ったもの
  • 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
    「そしゃくの機能を全く永久に失ったもの」とは、流動食以外のものは摂取できない状態でその回復の見込みのない場合のことです。 
  • 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
    「常に介護を要するもの」とは、食物の摂取、排便・排尿・その後始末、及び衣服着脱・起居・歩行・入浴のいずれもが自分ではできず、常に他人の介護を要する状態のことです。 
  • 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
  • 両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢を手関節以上で失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

民間住宅ローンの場合、団信への加入が基本的に義務付けられており、また保険料は金融機関が負担する(金利に含まれています)のが一般的です。

住宅金融支援機構のフラット35では、「機構団信」と呼ばれる団信が用意されていますが、加入は任意で、加入すると毎年、残債に応じた特約料の支払いが必要になります。

なお、特約料は生命保険料控除の対象にならず、また、返済途中での加入、脱退後の再加入はできません。

__sozai__/0012127.png 夫婦や親子で住宅ローンを組む場合
夫婦や親子で住宅ローンを組む場合には、費用や住宅ローン控除の適用等の要素に加えて、以下のような団信の扱いも踏まえ、どの組み方が適しているかを判断することが大切です。

団信のみでは保障が不足する場合には、別途生命保険に加入する等の検討も必要です。

  1. それぞれが住宅ローンを組み2契約とする場合
    各々が団信に加入することになります。死亡・高度障害状態になった際には、該当者が借入しているローンの残債分が団信で弁済されます。
  2. どちらかが契約者となり、もう一方が連帯保証人となる場合
    契約者のみ団信に加入します。連帯保証人が死亡・高度障害状態になっても団信による弁済はされません。
  3. どちらかが契約者となり、もう一方が連帯債務者となる場合
    基本的な扱いは、連帯保証人の場合と同様です。ただし、機構団信には、夫婦の一方を契約者、もう片方を連帯債務者とした場合に夫婦で加入できる「デュエット(夫婦連生団信)」があります。デュエットに加入すると、夫婦の一方が死亡・高度障害状態となった際、残債が全額弁済されます。
    なお、デュエットの特約料は1人分の特約料の約1.56倍で、後述の保障充実型である「3大疾病付機構団信」では利用できません。
  4. 親子リレーローン
    親子リレーローンにおける団信の扱いは、民間ローンの場合、「親子で借入額の2分の1ずつ加入する」「子のみ加入する」「当初は親が加入し、親が所定の年齢になったら子が加入する」等、金融機関ごとに異なります。フラット35の場合には、親子いずれか一人のみが加入でき、どちらが加入するか選択できます。

__sozai__/0012127.png 引受条件緩和型
金融機関によっては、通常の団信に比べ引受条件を緩和した団信が取り扱われています。引受条件緩和型団信の保険料は金融機関負担ですが、通常の金利に上乗せされるのが一般的です。

__sozai__/0012127.png 保障充実型
死亡・高度障害状態時に加え、特定の病気に対する保障がついた団信等、保障が充実したローン商品(保障充実型ローン)を扱う金融機関も増えてきました。

これらの保障は、通常の団信に「特約」として付加されている場合と、団信とは別契約となっている場合があります。また、損害保険商品として提供されているものもあります。

保障充実型ローンにおける保障は、対象となるローン商品、保障範囲や支払要件、免責期間、申し込み可能年齢、保障期間等が商品ごとに異なるためよく確認が必要です。

  • 保障の範囲 
    三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)や特定の生活習慣病により所定の状態になった時、原因を問わず所定の要介護状態となった時に支払われるタイプが主流です。
    また、病気やケガ全般を対象とするものや、女性疾病を対象とするもの、失業時に支払われるものもあります。なお、機構団信には、三大疾病により一定の要件に該当した場合に支払われる「3大疾病付機構団信」があります。
  • 保険金の支払われ方
    主に、残債分が一括して支払われるタイプと、毎期の返済額分が一定期間支払われるタイプがあります。また、残債や毎期返済額とは関係なく、一定額が支払われるものもあります。
  • 費用
    保険料は金融機関負担と、契約者負担の場合があります。金融機関が負担する場合、通常金利に上乗せされるもの、されないものがあります。また、事務手数料が高くなるものもあります。
    契約者負担の場合は、年齢や残債額等により、期間の経過とともに保険料が変わるもの、一定のものがあります。一般的に中途解約が可能です。

保障充実型ローンは、団体扱いとして保険料が割安になったり、残債額等に対して保障額が過不足ない設計となっていたりするメリットがあります。一方で、保障範囲が希望にあわない場合や、他の保険商品を活用したほうが、保険料が安くなる場合もあります。

そのため、保有資産や既加入保険も考慮し、保障ニーズを見極める必要があります。また、保障充実型ローンにおける保障は途中付加できないことが多いため、ローン比較の段階でよく検討する必要があります。


がん保険

わが国におけるがんによる死亡者数は、全数調査である人口動態調査により把握されています。

  • 2009年にがんで死亡した人の数は、34万4,105人(男性20万6,352人、女性13万7,753人)であり、男性の死亡者数が女性の約1.5倍となっています。
  • 部位別の死亡者数は、男性では肺が最も多く、がん死亡者全体の24%を占め、次いで胃(16%)、肝臓(10.5%)、結腸(7%;直腸と合わせた大腸は11%で3位)、膵臓(7%)の順です。
  • 女性では肺が最も多く(13%;ただし結腸と直腸を合わせた大腸は14%で肺よりも多い)、次いで、胃(12.5%)、結腸(10%)、膵臓(9%)、乳房(8.7%)の順となっています。

年間30万人以上の人が、がんで亡くなっていること(死亡者の1/3)、生涯でがんにかかる可能性が、男女共に2人に1人と推測(2005年の罹患・死亡データに基づいて累積生涯がん罹患リスクを推定すると、男性54%、女性41%「がんの統計'10」)されることから、日本人にとって、がんは身近な病気といえるでしょう。

一般的にがんの治療費は、高額になることが多いようですが、がんの発生部位や進行度によって治療期間や治療方法が異なり、保険適用の有無など、状況によって異なってきますので、一概にいくらかかるか答えるのは困難です。

 がんの種類や進行度による治療費を概算できるHP:「がん治療費.COM」

身近な病気であり、お金がかかる病気でもある「がん」の治療費に関するリスク管理として、「がん保険」があげられます。

民間の生命保険会社やJA(農協)、生協、全労済で取り扱っている「ガン保険・ガン特約」の加入率は33.1%となっています(生命保険文化センター「平成22年度 生活保障に関する調査」より)
平成16年は25.3%でしたので、加入率は増加傾向にあります。

  • 上皮内新生物の扱い
    上皮内新生物とは、がんであるけれど基底膜を超えて浸潤していないので、転移する可能性もなく、切除すれば治るものをいいます。
    上皮内新生物の保障は、悪性新生物と異なる場合がありますので、保障内容の相違や診断給付金の金額(悪性新生物に比較し少ない商品もあります)などを確認することが重要です。
  • 診断給付金の回数
    がんと診断確定されたら、支払われるのが診断給付金です。この給付金の支給回数についても商品によって違いがあります。保険期間を通じ1回の場合や、回数無制限(金額の上限など一定の条件あり)の場合があります。
    また、支給回数が複数であっても、どのような条件で支払われるのか(入院を開始した時、治療を開始した時など)を確認することも重要です。
  • 待機期間の有無
    がん保険に加入したとしても、すぐに保障が開始されるわけではなく、一般的に待機期間(90日)後に保障が開始されます。最近この待機期間がなく、すぐに保障が開始されるがん保険が発売されています。これらの商品の動向にも注意が必要でしょう。
  • 保険料払い込み免除
    がんと診断された場合、保険料は免除となりますが、保障の続くがん保険があります。がんの治療費は高額になりやすいため、保険料が免除されれば、経済的に負担は軽くなります。
    確認するポイントは、保険料払込免除の要件やいつから免除になるか、また、免除期間などがあげられます。
  • 通院のための保障
    厚生労働省の公表する「平成20年患者調査」によると、平成20年におけるがん総患者数に占める外来患者数の割合は、52.5%となっており、平成14年調査の46.2%と比較しても増加傾向にあります。
    最近の傾向として通院治療が増加傾向にあるため、通院治療に関する給付についても確認するとよいでしょう。その際のポイントとして、給付条件に入院を伴うかどうか、また、給付日数の上限などがあげられます。
  • がんに罹患した場合の生活保障
    がんに罹患した場合、治療費が高額になることは不安材料の一つですが、治療のための離職・配置転換などによる収入減もリスクとして考えられます。
    その場合の収入減をカバーするという観点から、がんと診断されると年金形式で一定金額が受け取れる保障などがありますので、選択のポイントとなります。
  • セカンドオピニオンなどの付帯サービス
    主な付帯サービスとして、医師の紹介やセカンドオピニオンに関する情報提供、また、ドクターやヘルスカウンセラー、保健師・助産師・心理カウンセラー・管理栄養士などキャリアのある相談員による24時間年中無休の電話相談サービスなどがあります。
    特に医師の紹介やセカンドオピニオンに関する情報提供など、一般的に収集が難しい情報の提供は、必要な人にとっては付加価値の高いサービスといえます。

 

__sozai__/0022538.png 任意後見契約及びその関連契約
身内がいない人や身内がいても頼れない事情がある人にとって、今後自分に何かあった時のことは気になる問題です。

シニア世代の場合、病気、認知症、介護など生きている間に起こるかもしれないことはもちろんですが、特に葬儀、納骨、死後の整理など、誰かに行ってもらわなければならないことは、事前に準備対策をしておきたいものです。

これらは、任意後見契約、任意代理契約、死後事務委任契約、遺言書などで第三者へ依頼しておくことができます。しかし、誰へ、何を依頼するのかによって、本人にとって不利益になることもあります。

  • 任意後見契約
    任意後見契約は、将来、認知症などにより判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ「信頼できる人」と任意後見契約を締結しておき、実際に判断能力が低下した時、任意後見人から財産管理や身上監護の必要な支援を受けられるようしておくものです。
    後見事務(本人の生活や療養看護、財産の管理に関して)の代理権の範囲や報酬(任意で決定)を取り決め、必ず公正証書で契約しておきます。
    配偶者や身内がいても契約することができますし、契約できる相手も、身内、友人、専門家などの個人だけではなく、法人や複数人と契約することもできます。
    任意後見契約は、本人の判断力が不十分になった時に、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、選定された時から任意後見契約の効力が生じます。
    申し立てのできる人は、本人、配偶者、4親等内の親族、任意後見受任者です。法定後見の場合は、4親等内の親族や市区町村長などが申立人でしたが、任意後見の場合は、契約した相手(任意後見受任者)が申し立てることができるため、身内がいない人や身内に頼りにくい人にとっては安心です。
    任意後見契約で、事前に契約した「信頼できる相手」が、ずっと信頼できる人であるかどうかは分かりませんし、相手が死亡などによって、いなくなってしまうことも考えられます。そのため、契約相手は慎重に選ばなければなりません。
    個人・法人・1人・複数・友人・専門家など選択肢は多くありますが、費用、信頼性のほか、お互いの相性などを考慮した上で依頼することも大切です。
  • 死後の事務委任契約
    任意後見契約は、本人が生きている時の契約ですので、本人死亡によって契約も終了となります。家庭裁判所の判断の下、死後の事務処理を行う場合もありますが、基本的に死後の事務は「死後事務委任契約」を締結しておく必要があります。
    この契約により、葬儀や納骨、遺品整理などを行ってもらえます。しかし、財産に関しては、「死後事務委任契約」ですべて行うのは難しいため、遺言書も併せて作成しておきます。

最近は、身内に頼りたくない・負担をかけたくないので「任意後見契約」を第三者へ依頼したいと考える方もおられます。

身内がいない場合には、第三者との契約を行えばよいのですが、身内がいる場合には、身内への配慮が必要になりますので、本人の要望のみを重視しないよう注意が必要です。本人は身内に負担をかけたくない、申し訳ないから依頼したくないと思っていても、身内の中には、第三者への依頼を快く思わない人がいることも考えられますので注意が必要です。


__sozai__/0022538.png 障害年金
「障害者手帳の交付を受けた場合の障害年金の受給はどうなるのか?」と考える方はいるかもしれませんが、その障害年金に関する認識が不足しているために、受給できる可能性があるにもかかわらず、手続きしていない方が多いのが現実だと思われます。

  • 障害者手帳について
    各市町村が管轄している障害者手帳は以下のように分かれます。
    ・身体障害者手帳:身体障害者福祉法に基づき認定された場合交付され、障害者福祉制度を利用するために必要となります。
    身体障害者手帳は、市区町村にて申請を行い、障がい状態に応じた1(重度)〜6(軽度)等級のいずれかに該当すると交付され、福祉制度を利用できるようになります。当制度における障がい等級は主に医学的見地に基づくもので、聴覚や視覚、肢体に関する障がいだけではなく、心臓や肝臓等の内部障がいも対象となります。
    ・精神障害者保健福祉手帳:精神障害者に交付されます。
    ・療育手帳:知的障害者に交付されます。
  • 利用できる障害者福祉制度(障害者手帳が必要のない制度も含む)
    ・補装具等医療費助成、補装具費の支給(購入・修理)、日常生活用具の給付・貸与等
    ・障害手当、特別障害者手当、障害基礎年金、心身障害者扶養年金等
    ・所得税における障害者控除、住民税の非課税、相続税の減額、贈与税の非課税、利子などの非課税、自動車税・自動車取得税の減免、軽自動車税の減免
    ・交通機関の優遇措置(無料・割引):JR線、私鉄、都営交通、民営バス、航空、有料道路、タクシー等
    ・心身障害者世帯向け住宅
    ・あんまマッサージ指圧師・針灸師資格養成等 
    ・放送受信料の減免、公共駐車場の割引、郵便料金の減額、携帯電話料金割引等 
    ・郵便による不在者投票制度、代理投票制度、点字投票制度 
    ・生活福祉資金の貸付、ホームヘルパーの派遣、自動車改造費の助成等 
  • 障害年金について
    障害年金に関しては、所轄官庁が市町村でないため、医師からの助言は少なく、受給するためには、自分自身で手続きを進めなければなりません。
    その際、障害者手帳の「障害等級」と障害年金の「障害等級」は、決まる基準が同じではないことに注意が必要です。
    例えば、障害基礎年金は、1級、2級の重度障害が受給対象ですが、障害者手帳が3級のため、障害基礎年金をもらえないと自分で決めつけてしまうことなども考えられます。手帳よりも等級が重くなるか軽くなるか同様になるかは自身で判断せず、まず手続きを進めることです。

    __sozai__/0011814.gif障害年金の受給における保険料納付要件
    障害年金を受給するには、原則的に以下の国民年金・厚生年金の保険料納付要件を満たす必要があります。
    ・初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付又は免除されていること
    ・初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
    しかし、例外として納付していなくても受給できるケースがあります。
    ・20歳より前に初診日がある病気やケガで、20歳時に障害状態にあるときや、その後に障害状態になったときです。例えば、20歳前の事故によるケースなどが該当します。
    このケースは、20歳前ですから年金保険料を1円も払っていない可能性がありますが、所得等その他要件に該当すれば障害年金を受給できます。「初診日」とは、その病院へ初めて行った日(通常で言う初診日)ではなく、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日のことをいいます。

障害年金は、「初診日」「障害認定日」「治癒」などが通常使われる定義と異なること、発病などを調査するために過去の記録をさかのぼること、等他の年金と違い手続きが非常に複雑で難しいため専門家へ依頼することが重要です。


__sozai__/0022538.png 相続人が海外にいる場合の相続手続き   
被相続人Aさんには、相続人として妻B、長女C、長男Dの3人がいます。相続財産は自宅不動産と預貯金です。自宅不動産を妻Bが、預貯金は妻Bが3分の2、長男Dが3分の1を相続することにしました。

妻Bと長男Dは東京在住ですが、長女Cはアメリカ人と結婚したのちアメリカ永住権を取得し、現在はアメリカに住んでいます。特に遺言は見つかりませんでした。この場合の事例設定を検討します。

__sozai__/0012127.png実際の相続手続き
長女Cも相続人であることに変わりはありませんので、通常の場合と同様に遺産分割協議を行うことになります。問題は日本に住所がないので印鑑証明書が取得できないということです。このままでは実印を押印する必要がある遺産分割協議書が作れません。

この場合は印鑑証明書に代えてアメリカの日本領事館で「サイン証明」をもらう必要があります。「サイン証明」といっても印鑑証明書のようにサインを照合するというものではありません。具体的には次の通りとなります。

  1. パスポートを持参し「遺産分割協議書に署名をしない状態」で領事館に出向く。
  2. 領事の面前で遺産分割協議書に署名(および拇印を押なつ)する。
  3. 遺産分割協議書に領事の「本人の署名及び拇印に相違ない」旨の認証文を奥書してもらう。 

なお、日本に一時帰国している場合は日本の公証役場で同様の証明をしてもらうことが可能です。相続登記の場合は上記のとおりですが、預貯金の解約手続きについては、それぞれの金融機関所定の書式へ署名捺印を要求される場合がありますので、事前に各金融機関の取り扱いを確認する必要があります。

被相続人が生前に遺言を作成し、遺言執行者を選任して預金解約の権限などを与えておくことで、このような面倒な手続きはなくなります。相続人に外国籍の方や海外在住者がいる場合は是非検討しておきたいものです。

__sozai__/0012127.png上記の事例で、被相続人Aさんよりも前に長女Cが亡くなっている場合
長女Cに子供がいないときは特に問題はありませんが、長女Cに子供Eがいる場合は子供Eが代襲相続人となります。さらに子供Eがアメリカで生まれたのであれば、アメリカ国籍と日本国籍の二重国籍となります。

  • 子供Eは22歳になるまでにいずれかの国籍を選択しなければなりませんが、アメリカ国籍を選択すると日本国籍を喪失し、日本の戸籍からは除籍となります。しかし、代襲相続人としての地位を失うわけではないので、子供E(被相続人から見ると孫)も含めて遺産分割協議を行う必要があります。

アメリカ国籍を選択した場合、遺産分割協議書へサイン証明をもらうことに変わりはありませんが、サイン証明はサインをする人の本国の官憲のものが必要となります。ですから子供Eはアメリカの公証人のサイン証明が必要ということになります。なお、子供Eが日本にいるのであればアメリカ大使館(又は領事館)でサイン証明をもらうことになります。

 

__sozai__/0022538.png 被相続人が「韓国籍」の場合の相続手続き

韓国籍である被相続人Aさん(20xx年x月死亡)には、相続人として妻B、長女C、長男Dの3人がいます。相続財産は、日本にある自宅不動産と日本の金融機関の預貯金です。

Aさんが遺言を残さずに亡くなった場合、どのようにしたらよいでしょうか?なおAさんの本籍は韓国にあり、Aさんの親戚も韓国に住んでいます。

__sozai__/0012127.png準拠法の決定
今回の事例のような国際私法に関する事例については「法の適用に関する通則法」(以下「通則法」という)により準拠法を定める必要があります。

被相続人が韓国籍の場合ですが「相続は被相続人の本国法による」(通則法第36条)とされていますので、通常、本国がわかれば本国法も決まるということになります。

今回の事例では被相続人の本国である韓国がいわゆる「分断国家」であるため、もう1段階の判定が必要となります。韓国も朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)も、公式には朝鮮半島全体についての領有権を主張しており、それぞれの地域の住民を自国民としているからです(本籍のみを有する場合も同様です)。

  • 通則法第38条1項では「当事者(被相続人)が2以上の国籍を有する場合には、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国があるときはその国の法を、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国がないときは当事者に最も密接な関係がある国の法を当事者の本国法とする」とされていますので、本籍地や親戚の居住地などを根拠として、最も密接な関係のある国として韓国を選択することになります。

なおアメリカ合衆国のように、州により法律が異なる国の場合は「その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある地域の法)を当事者の本国法とする」(通則法38条3項)とされています。

__sozai__/0012127.png韓国民法に基づく法定相続
  相続人の範囲は次の通りです。

  • 第1順位:被相続人の直系卑属+配偶者 
  • 第2順位:被相続人の直系尊属+配偶者 
  • 第3順位:被相続人の兄弟姉妹 
  • 第4順位:被相続人の四親等以内の傍系血族

「被相続人の配偶者」については、第一順位又は第二順位の相続人がいるときはその相続人と同順位で共同相続人となり、その相続人がないときは単独で相続人となります。

つまり、韓国民法では配偶者と兄弟姉妹が共同相続人となることはありません。
法定相続分については、配偶者の相続分は直系卑属(または直系尊属)の相続分の5割加算となります。

今回の事例では、法定相続分は妻Bが7分の3、長女Cが7分の2、長男Dが7分の2となります

  • 韓国では2008年1月1日より戸主制度が廃止されたことに伴い、戸籍制度を廃止し、家族関係登録制度に移行しました。これは1人1籍の身分登録制度で、簡単に言うと従来の戸籍を個人別に区分・編成したものです。
    今回の事例では、被相続人の出生にさかのぼる従来の戸籍(閉鎖されたもの)と新制度の証明書の両方および相続人の証明書が必要となります。
    これらの韓国の戸籍や証明書を取得することは近年かなり難しくなっています。
    日本からの代理人による取得が困難な場合は、本人または相続人が領事館等を通じて取得することになります。

法定相続または遺産分割協議による場合は、上記のとおり、被相続人については出生にさかのぼる戸籍が必要となりますが、遺言を作成してあれば原則として、被相続人が死亡した事実を証する証明書(又は戸籍)と相続人であることの証明書で手続を進めることができます。

なお金融機関によっては、遺言があっても被相続人の出生にさかのぼる戸籍を要求する場合がありますので、そのような金融機関から別の金融機関に預貯金を移しておくという対策も考えられます。



__sozai__/0022538.png相続人が認知症の場合の相続手続き
Aさん(85歳)が亡くなりました。相続人は奥さんのBさん(83歳)、長男のCさん(63歳)、長女のDさん(60歳)の3名です。

奥さんのBさんは自宅にそのまま住んでいますが、ここのところ認知症がだいぶ進んでしまい(診断では3つの類型、後見・保佐・補助のうち、一番重い判断能力がない状態の後見相当となっています)隣に住む長女のDさんが身の回りの世話をしています。

長男のCさんは地方に住んでいます。相続財産は約4,000万円相当の自宅(被相続人のAさん名義)と預貯金1,000万円だけで、遺言はありませんでした。

遺産分割協議を進めなければいけない状況ですが、「後見相当」で認知症で判断能力がないBさんは遺産分割協議ができない状態です。もし、勝手にBさんの印鑑を使って遺産分割協議書を作成しようものなら、後々紛争に発展する可能性が高いと考えられます。

__sozai__/0012127.png実際の相続手続き
Bさんについては、家庭裁判所に後見開始申し立てをして成年後見人をつければ分割協議ができます。申し立てができるのは本人、配偶者、四親等内の親族等ですので、もちろんCさんやDさんにも申し立ては可能です。

成年後見人には欠格事由に該当しなければ特別の資格は必要ありませんが、自らが相続人であるCさんやDさんは成年後見人になっても遺産分割協議が利益相反に該当し、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立てる必要が出てきてしまいます。そのためこの事例では第三者後見人が選任されることになります。

なお、Bさんに成年後見人がつき、遺産分割協議の結果Bさんが自宅を相続したとしても、成年後見人が居住用不動産を売却するには家庭裁判所の許可が必要になります。成年後見人といえども重要な意思決定には一定の制限があるのです。

遺産分割協議のために成年後見人をつけたとしても、Bさんが存命中は成年後見が継続します。成年後見人は裁判所の監督のもとでBさんのために財産管理と身上監護を行う義務を負います。

__sozai__/0012127.png「法定後見」とは違う「任意後見契約」の手続き

「任意後見契約」は、本人の判断能力に問題がない時点において、あらかじめ本人と任意後見人候補者とが公正証書で契約をする制度です。

  • 「任意後見」についても「法定後見」と同様に、後見人となるために資格などは必要ありません。しかし、子供等を後見人とする場合には利益相反の可能性があるので、その場合には信頼できる第三者を後見人にすることも考えなければなりません。

契約が成立すると公証人が任意後見登記の嘱託を行います。任意後見契約が効力を生ずるのは、実際に本人の判断能力が低下した段階で家庭裁判所に対して、任意後見監督人選任申し立てを行い、任意後見監督人が選任されたときからとなります。

任意後見契約には、効力が生じた後で任意後見人にやってもらいたいことを具体的に記載する必要があります(代理権目録:代理権のみで同意権、取消権はありません)。

なお、任意後見契約が効力を生じた後は、契約内容の変更ができませんので、契約内容については慎重に検討する必要があります。

任意後見契約の効力が生じる前は、任意後見人候補者に、本人へ代わって法律行為をする権限がありませんので、効力発生前に財産管理などをして欲しい場合は、別途生前の事務委任契約を結ぶようにします。また死後の事務委任契約を結ぶこともできます。


__sozai__/0022538.png要介護・障がい状態となったとき
厚生労働省が公表する資料によると、要介護(支援)認定者は、平成22年10月末時点で500.3万人となっており、平成12年4月末に比較し、約2.3倍に増加しています。

  • 「障害者白書」平成22年度版では、障がい者数が全国で744万人となっています。家族の介護が必要になった際には、介護休業制度や介護休業給付金制度等を活用できる場合もあります。

__sozai__/0012127.png交通事故や労働者災害が原因のときの介護
交通事故の被害により介護が必要になった場合には損害賠償が受けられる可能性があります。

  • 労働者災害による場合には、労災保険による介護(補償)給付等を受けられる可能性があり、これらは介護保険制度より優先して適用されます。

__sozai__/0012127.png40歳以上の人が受給対象となる介護保険制度
介護が必要となった場合に活用できる制度として、介護保険法に基づく介護保険制度があります。
介護保険のサービスは、高齢者のみが受給できるのではなく、当制度の第二号被保険者である40歳以上65歳未満の人も受給の対象となります。

ただし、65歳以上の第一号被保険者は、要介護状態となった原因を問われないのに対し、第二号被保険者は「特定の疾患」に伴って要介護状態となった場合のみ給付対象となります。

__sozai__/0012127.png介護保険サービスの利用

介護保険によるサービスを利用するためには、市町村等に申請して「要介護・要支援認定」を受ける必要があります。認定は、「どの程度介護サービスを行う必要があるか」という介護サービスの必要度を基準に行われるため、病気の重さと要介護度の高さとは必ずしも一致しません。

申請の結果、要支援1(軽度)から要介護5(重度)までの7区分のいずれかに認定されれば、サービスを利用することができます。認定前であっても、介護保険のサービスを利用することはできますが、認定の結果、非該当となった場合には全額自己負担となります。 

__sozai__/0011814.gif介護サービス内容
 介護保険制度では、以下のようなサービスが用意されています。

  • 「在宅サービス」については、要介護・要支援度別に1カ月あたりの支給限度額が定められており、この範囲内で、自身に適したサービスを組み合わせて利用します。
  • 「施設サービス」については、要介護度別に利用額が異なります。
  • これらの費用のうち、原則1割が自己負担で、このほか、食費や滞在費等も自己負担(10割)となります(所得に応じた軽減があります)。
  • 1カ月の1割自己負担の合計額が一定額を超えた場合や、1年間の医療保険と介護保険の自己負担額の合計が一定額を超えた場合、生計困難者等に対しては軽減制度が設けられています。
  • 支給限度額を超えてサービスを利用する場合は、超えた利用部分について、また介護保険の対象外のサービスを受ける場合には、その全額が自己負担となります。自治体により上乗せサービスがある事もあります。

__sozai__/0011814.gif障がい福祉施策における介護給付
介護保険の被保険者ではない人や、介護保険における「特定疾病」以外により要介護状態となった40歳以上65歳未満の人が介護サービスを受けたい場合には、障がい者自立支援法に基づく「介護給付」の利用が考えられます。この制度においても、ホームヘルプやショートステイといったサービスが設けられています。


__sozai__/0022538.png民間介護保険
長寿社会において、「もしも自分や親が介護状態になったら・・」という介護に関する備えは欠かせません。もし要介護になった場合の肉体的、精神的な負担やストレスはもちろん、経済的な負担も考慮しなければなりません。

__sozai__/0012127.png主な介護用品やサービスの目安
介護を考えるにあたり、どのような物やサービスがどのくらいの価格で必要になるのか、目安額を把握しておくことが重要です。

  • 車いす:自走用(介助式)40,000円〜150,000円(電動式)300,000円〜500,000円
  • ポータブルトイレ:(水洗式)10,000円〜30,000円(シャワー式)100,000円〜250,000円
  • ホームエレベーター:2〜3人用200万円〜300万円(電気・建物工事費別)メンテナンス費用40,000円〜60,000円程度/年
  • 紙おむつ:約12,000円(施設で1人が1カ月に使用する平均量)
  • 階段昇降機:イス式直線階段用500,000円〜(工事費別)
  • 特殊寝台:150,000円〜500,000円(モーターの数や機能[水洗トイレや浴槽付き]などによって価格差が大きい)
  • 配食サービス:1食あたり600円程度、3食セット2,000円程度(自治体の補助がある場合有)
  • 有料老人ホーム:介護付終身利用型の場合入居金0円〜4,000万円、1カ月利用料(1人)100,000円〜300,000円
  <公益財団法人生命保険文化センター発行「介護保障ガイド−これからの生活設計と介護」より>

もし、自分や家族が要介護状態になった場合は、どのぐらいお金を用意しておけばいいのでしょうか? 

生命保険文化センターが実施した調査の「介護費用」(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)を見ると、介護に要した費用のうち、一時費用(住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的にかかった費用)の平均は86万円、月々の費用は、1カ月当たり平均7.3万円となっています。

介護を始めてからの期間(介護中の場合は経過期間)の平均は、55.2ヵ月(4年7カ月)となっています。 介護費用は、公的介護保険だけに頼るのではなく、自助努力で準備することも検討する必要があると思われます。

それでは、介護費用について、一般的にはどのような準備をしているのでしょうか?

介護保障に対する私的準備状況は、準備していない55.3% 準備している41% わからない3.6% となっています。介護保障について半数の人が、私的準備をしていない状況です。また、準備している人のなかでも、介護保障を保険で準備している割合を見ると、生命保険が21.4%、損害保険が4.6%となっており、例えば、医療保障としての生命保険(疾病入院給付金の支払われる生命保険)の加入率である72.3%よりかなり低くなっています。

__sozai__/0012127.png民間介護保険の特徴

  • 給付方法公的介護保険制度は、介護サービスそのものが給付される現物給付ですが、民間介護保険の給付は現金で給付されます。
  • 加入年齢公的介護保険制度の対象年齢は40歳以上ですが、民間介護保険は、契約年齢が40歳未満でも加入することができます(一般に契約年齢はおおよそ15歳〜80歳まで)。
  • 保険金の受取方法民間介護保険の保険金は、介護年金のような「年金形式」で分割して受け取る方法のほか介護一時金のような「一時金」で受け取る方法があります。
  • 契約形態生命保険(死亡保険)や医療保険に「特約」として付加されている形態や、介護保障のみを単独で契約する形態があります。
  • 給付条件給付条件のひとつとして、公的介護保険の要介護認定が要介護2や要介護3などと認定されたときに、介護年金や一時金が受け取れるなど、公的介護保険に連動するタイプがあります。
    給付認定レベルは、保険会社の介護保険によって、それぞれ異なります。そのほかに、保険会社が定めた「要介護状態」で介護年金や一時金が受け取れるタイプがあります。
    その際の主な要介護状態は次のとおりです。
    常時寝たきりで、・ベッド周辺の歩行ができない・衣服の着脱ができない・入浴や食物の摂取が自分でできない・大小便等、排泄後の拭き取り始末が自分でできないなどの項目に、ひとつまたは複数該当する状態や、器質性認知症(アルツハイマー病、血管性認知症など)と診断され、見当識障害等があり、介護を要する状態です。それぞれの状態で、おおむね180日以上継続していることが医師によって診断確定された場合に、介護年金や一時金が支払われるようです。
  • 介護保険料の解約返戻金介護保険を契約した場合、解約時に解約返戻金がない「掛け捨てタイプ」と、解約すると解約返戻金がある「貯蓄タイプ」があります。「貯蓄タイプ」は「掛け捨てタイプ」と比較し、保険料が高くなります。しかし、「貯蓄タイプ」にも保障を抑えることで保険料を安くするなど、様々な種類がありますので、加入年齢と保険料(トータルコスト)のバランスで検討するとよいでしょう。
  • 介護保険料の払込期間介護保険料の払込期間には、「終身払い」と、ある一定期間に保険料の払い込みが終了する「有期払い」があります。「終身払い」のほうは、月々に支払う保険料は安くなりますが、「有期払い」より長い期間支払うことで、トータルコストが多くなることもあります。

なお、保険会社の定めた所定の状態になると保険料が払い込み免除となるタイプもあります。どのような状態になると保険料が払い込み免除となるのかなど、要件を確認しておくことも重要でしょう。

__sozai__/0012127.png公的介護保険制度と民間介護保険
民間介護保険を準備する目的として、公的介護保険制度を補うことが考えられます。公的介護保険は、今のところ介護給付のサービスを受けても自己負担は1割ですが、要介護レベルが重くなると1割負担といえども、経済的負担も重くなります。

公的介護保険の第2号被保険者(40歳〜65歳未満)は、老化に起因する特定の病気で介護が必要となった場合は保険給付の対象ですが、事故やケガが原因の場合は対象外となります。

All articles are reffering to FP journal


 

                    

ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
ご連絡は、お電話または下記のご予約フォームよりお願いいたします。

 
お電話でのご連絡はこちら
0465-46-9222

受付時間 : 9:30〜18:00(日,祝祭日は除く)

担当 : 小泉(こいずみ)

 

フォームよりご連絡いただいたお客様には、3営業日以内にこちらから改めてご連絡させていただきます。

  許認可申請サービスのトップページはこちらへ

FP(ファイナンシャルプランナー)からの厳選コラム!その2

__sozai__/0022538.png 教育資金の一括贈与の活用

平成25年度税制改正により「教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置」制度が新た作られました。

日本経済の活性化には、シニア世代から若い世代に早期に資産を移転し消費を促すことが必要との認識から非課税を前面に打ち出すことで、祖父母などが自らの意思で資産の一部を孫などの教育費に早期移転させるものが今回の「教育資金の一括贈与にかかる非課税措置」です。

実際の受贈者である子・孫を含む子育て世代は早期に教育資金が確保できるので、余裕が生まれ収入を他の消費へ回すことができるようになります。さらに、本措置を活用し生前贈与を進めることがシニア世代の相続設計に有用と考えられます。

現行の相続税法では「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」には贈与税は課されません。ただし、現行税制で非課税となるためには「必要な都度」の贈与であることが条件でした。

今回の教育資金の一括贈与は、教育費として必要とするタイミングにかかわらず1,500万円までの金額を一括で贈与でき、教育資金の支払いに要した金額が非課税となる点が大きなメリットといえます。

贈与者は一度にまとまった金額の贈与を行うことにより保有資産を孫などの世代に移転することができますし、相続税のかかる人の場合は課税財産を減らすことにもなります。

ただし、贈与者である祖父母に複数人の孫がおり、特定の孫だけに教育資金の一括贈与を行った場合、贈与者に相続が発生した場合の遺産分割協議で、教育資金の一括贈与をめぐって相続人間で争いが起きないよう注意が必要です。

相続では、被相続人の生前に贈与などにより特別の利益を受けていた相続人がいる場合、法定相続に不公平が生じないよう、その贈与などの価額を相続財産に加算する「共同相続人の特別受益の持ち戻し」の制度があります。

教育資金の一括贈与は特別受益に当たらないか?といった問題ですが、祖父母から孫への贈与であれば、祖父母に相続があっても「共同相続人」はその子(孫の親)であって、孫は代襲相続人でない限り共同相続人とはなりません。したがって、教育資金の一括贈与は特別受益とはならず、相続財産に持ち戻す必要はありません。

ただ、現実には本来教育費を負担するのは孫の親、つまり祖父母が亡くなった場合のその相続人である子の世代です。つまり、孫が複数人いる場合に特定の孫にだけ教育資金の一括贈与を行っていると、孫の親世代である相続人間の遺産分割協議において、感情的な問題が残る可能性がありますので争いが起きないよう配慮することも重要です。

なお、相続税には「贈与財産の加算と税額控除」の制度があります。「相続などにより財産を取得した人が被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与時の価額を加算し贈与税額を控除する」というものです。これについて、教育資金の一括贈与で非課税の適用を受けた金額については、相続財産には加算しない取扱いとされます。

「教育資金の一括贈与」のポイント!

  • 非課税措置は平成25年4月から平成27年12月31日までの期間に限られます。
  • 両親や祖父母、曾祖父母が贈与者となること。贈与者には養父母が含まれますが、叔父・叔母や兄弟からの贈与は対象外です。
  • 30歳未満の子、孫、ひ孫などが受贈者となること。
  • 教育資金として1,500万円までを一括で贈与が可能(金額内であれば期限内に複数回の贈与が可能)複数の直系尊属からの贈与は可能で、1人の孫などに対し合計贈与金額が1,500万円以内と定められています。 
  • 非課税措置は受贈者が30歳までに使い切った分だけに適用され、残金があればその年の贈与とされます。
  • 教育資金の一括贈与の非課税措置は、暦年贈与の基礎控除である年間110万円までの非課税枠との併用可能です。教育資金口座に残高がある場合は、その金額が贈与税の課税価格に算入されます。その金額が贈与税の基礎控除額(110万円)を超える場合は、贈与税の申告期限までに申告する必要があります。
  • 非課税措置の対象となる「教育費」は、以下の2種類になります。
    「学校などに対して直接支払われる金銭」
    入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備または入学(入園)試験の検定料など、学用品費、修学旅行費、学校給食費など学校における教育に伴って必要な費用など
    「学校以外に対して直接支払われる金銭で社会通念上相当と認められるもの
    役務提供または指導を行うもの(学習塾や水泳教室など)に直接支払われるもの、教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など、スポーツ(水泳、野球など)または文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など

 「教育資金の一括贈与」制度活用上の注意点!

  • 一度贈与された資金は贈与者に戻すことができません。
    金融機関等で教育資金口座を開設し教育資金口座にいったん入金してしまうと、贈与者は教育資金口座からお金を取り戻すことはできません。よって、一度に上限額の1,500万円を贈与してしまわずに、実際に教育資金として支払いに利用される金額を贈与することが必要です。
  • 受贈者である孫などの了解なしに贈与すると非課税措置は利用できません。
    この贈与は契約(贈与者と受贈者との間で結ぶ諾成契約)であり、金融機関等は利用者に対し教育資金口座の開設に当たり、贈与契約書の提出を求めています。したがって、孫などの了解なしに勝手に祖父母などが教育資金口座を開設し非課税措置を受けることはできません。
  • 教育資金口座は1金融機関1店舗のみになります。
    いったん教育資金口座を開設すると他の金融機関や同一金融機関でも他の店舗では開設できません。また、教育資金口座を解約して別の金融機関や他の店舗で新たに開設することもできません。
    教育資金口座の開設手続きには、受贈者(孫など)の本人確認書類、贈与契約書、非課税申告書、祖父母との関係を証明する戸籍謄本または住民票等の書類が必要となります。したがって、贈与者の住所地等の金融機関で口座を開設するより、受贈者の住所地等で開設するほうが便利で合理的です。
  • 教育資金口座の資金使途は教育費のみになります。
    教育資金以外の使用を目的とする贈与を行いたい場合には、暦年課税の非課税枠(110万円)の利用の検討をします。
  • 教育資金の一括贈与に係る非課税措置は以下のケースで終了します。
    ・受贈者が30歳に達したとき
    ・受贈者が死亡したとき}
    ・教育資金口座の残高がゼロになりかつ口座に係る契約を終了させる合意があったとき

__sozai__/0022538.png 先進医療と医療保険

最近の医療保険の保障には、先進医療による治療を受けると、その技術料を通算1,000万円(一例)まで保障するというものがあります。

これにより「自分の医療保険には先進医療保障がついているのか、ついていないならば先進医療保障付きの医療保険へ見直しをしたい」などと考える方も増えています。

既存の医療保険に先進医療特約として中途付加できる場合もありますが、既契約を解約して、新しく入りなおさなければならない場合もあります(見直しにより保険料が高くなることも考えられます)。

__sozai__/0012127.png先進医療の概要

「先進医療」とは、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養などのことです厚生労働大臣が承認した大学病院などの医療機関で実施されます。

先進医療を受けると、診察料、検査料、投薬料、入院料などは公的医療保険が適用されますが、技術料は全額患者負担となり、その費用は高額になる場合もあります。

  • 先進医療(高度医療技術として規定されている31種類を除く)は、平成23年4月1日現在89種類あります。先進医療は公的医療保険の対象外で、高額療養費制度も利用できません。

その場合、先進医療保障のついた医療保険で、かかった技術料を自己負担することなく、全額まかなうことができれば、「高度な治療を受けられ、その費用の心配もしなくてよい」ということになり、保険加入者にとってメリットとなります。

__sozai__/0012127.png先進医療の動向
厚生労働省の調査(中央社会保険医療協議会報告)によると、平成20年7月〜平成21年6月までの1年間に延べ20,013人の方が先進医療の治療を受けました(平成18年7月〜平成19年6月の1年間で14,179人、2年間で1.4倍に増加)。

  • 厚生労働省「平成20年度患者調査」によると推定入院患者総数は、約139万人。先進医療を受けた人が2万人ですので、全体で先進医療を受けた方の割合は約1.4%になります。

先進医療は、有益な治療方法だと思いますが、まだだれもが頻繁に受けているものではないようです。また、治療費ですが、先進医療を受けた20,013人に対し、先進医療費用総額は約65億円ですので、一人当たりの平均治療費は約32万円となります。

ところが、年間100人以上に実施された先進医療技術のうち、保険診療分を除く治療費をみると、圧倒的に高額なものは、がん治療(重粒子線・陽子線)約300万円で、その他は約5万円〜50万円程度におさまっているようです。これらの数字は、既存の医療保険を解約し、先進医療付の医療保険に入りなおすことを検討する際などの判断材料となるのではないでしょうか。

__sozai__/0012127.png先進医療保障追加の必要性
先進医療保障は有益な面があります。ただし、治療の実施例が全体の1.4%と先進医療の治療を受けることは確率的に少ないこと、また治療費もある特定のがん治療では数百万円となることもありますが、数万円の支払いで済むことも多くあります。

  • 先進医療では新しい医療技術が認められる一方、健康保険が適用されると先進医療から外れることになります。そのため、先進医療保障なしの既契約の解約を伴う新契約への切り替えは、メリット・デメリットの両方をよく検討した上で、判断する必要があると思われます。 

__sozai__/0022538.png ねんきん定期便

「ねんきん定期便」は、毎年誕生月に送付されます。「ねんきん定期便」と「ねんきん特別便」が大きく違うところは、厚生年金の標準報酬月額、標準賞与額、保険料納付額が月別に記載されているところです。

国民年金については、すべての期間の月別の保険料納付状況が記載され、納付済、未納、免除等が分かりやすくなっています。

50歳以上の人には、「ねんきん定期便」作成時の加入制度に引き続き加入した場合の将来の年金見込額が、50歳未満の人には、これまでの加入実績に応じた年金見込額が記載されています。これにより、自分の年金見込額を知ることができ、早くから老後の生活設計を立てることも可能になってくるかと思います。

「ねんきん定期便」は、毎年誕生月に送付されますが、平成22年度以降は、厚生年金の標準報酬月額、標準賞与額、保険料納付額や国民年金の保険料の納付状況が、直近1年分についてのみ通知されます。年金見込額については、毎年度更新して通知されます。また、節目の年齢とされている35歳、45歳、58歳時には、平成21年度と同じ内容を更新して通知されます。

__sozai__/0022538.png 協会けんぽの保険料率と手続き
「国民健康保険」は、市町村単位で保険料の水準に差を設けていますが、保険料の格差が大きく、最大約4.7倍におよんでいます。

「政府管掌健康保険」は、疾病予防など地域の取り組みによって当該地域の医療費が減少しても保険料率は全国一律のため、地域ごとの医療費が反映されていないということが指摘されていました。

そこで2006年度の医療保険制度改革において、政府管掌健康保険、国民健康保険、長寿医療制度の運営は都道府県単位を基本にするとした改革が行われました。

2008年10月1日に「全国健康保険協会(協会けんぽ)」設立され、政府管掌健康保険は、社会保険庁からこの協会けんぽに移って運営されています。協会けんぽは東京に本部を置き、都道府県単位の運営をしています。

設立から1年間は、従前の政府管掌健康保険の保険料率1000分の82(労使あわせて)が適用されていました。都道府県ごとに地域の医療費や所得水準をそのまま保険料率に反映させた場合には、年齢構成の高い県ほど医療費が高く、保険料率も高くなります。

また、所得水準の低い県ほど同じ医療費でも保険料率が高くなります。そこで都道府県ごとに年齢構成や所得水準の違いを調整し、地域の医療費を反映した新しい保険料率が設定されることになっています。今後は疾病予防などにより、地域の加入者の医療費が下がれば保険料率も下がる仕組みになります。

加入者の保険料率は、勤務先の会社の所在地により決まります。勤務先が地方の支社であっても、東京の本社で一括して協会けんぽに申請していれば、東京都の保険料率で保険料は決まります。また会社が事業所(支社)ごとに申請をしていると、その事業所(支社)の所在地ごとに保険料率が変わるため、同じ会社でも加入者の所属する事業所(支社)によって保険料が変わるということもあります。

また、都道府県で保険料率の格差が大幅に広がるような場合、2013年9月までは都道府県間の保険料率の格差を狭めたうえで、保険料率を設定するという激変緩和処置を講じることになっています。

その結果、2009年9月分の保険料(一般の被保険者は10月納付分、任意継続被保険者は9月納付から)は、実際の保険料率と全国平均の保険料率8.2%の差(引き上げ・引き下げ幅とも)が10分の1に調整されています。

__sozai__/0022538.png 遺族厚生年金
__sozai__/0012127.png遺族厚生年金の受給要件

個人事業主のなかには、一定期間企業で働いてから独立する人もおられるでしょう。この個人事業主になると、厚生年金ではなく国民年金に加入することになります。

国民年金加入者が死亡した際には、原則、一定の条件を満たした遺族に、「遺族基礎年金」が支給されます。

厚生年金加入者(過去に厚生年金に加入していて一定の条件を満たしたものを含む。以下同じ)は、「遺族基礎年金」よりも年金を受け取れる人の範囲が広い「遺族厚生年金」が上乗せで支給されます。

金額的には「遺族基礎年金(受給要件あり)+遺族厚生年金(亡夫の厚生年金受給額の3/4)」が支給されることから、厚生年金の加入期間にもよりますが、一般的に受け取る金額が多くなります。

厚生年金加入者が次の条件で亡くなった場合、その遺族に遺族厚生年金が支給されます。

  • 短期要件:「遺族基礎年金」と同様の納付要件があります。
    @厚生年金加入者が被保険者期間中(在職中)に亡くなったとき
    A勤務先を辞めるなどして厚生年金加入者でなくなった後に、厚生年金加入中に初診日があるケガや病気が原因で、初診日から5年以内に亡くなったとき。
    B1級・2級の障害厚生年金を受けられる人が亡くなったとき 
  • 長期要件:納付要件はありません。
    C老齢厚生年金の資格期間を満たして亡くなったとき。

企業勤務経験のある個人事業主にとって、注意しなければならない要件がCの長期要件で「老齢厚生年金の資格期間を満たして亡くなったとき」です。

50代以下の個人事業主で、20歳からの「厚生年金か国民年金」を納付した期間(免除・カラ期間を含む)が25年を超えていれば、Cの条件を満たし遺族厚生年金が受け取れることになります。

しかし、30代〜40代前半で独立したばかりの個人事業主は、納付要件25年を満たすことができません。被扶養者がいる場合、遺族厚生年金が受け取れない分を生命保険で準備する方法があります。独立したばかりの個人事業主では、資金的に厳しい場合、高い生命保険料を負担することが難しいケースも考えられます。

遺族厚生年金が支給される条件の@を満たすために、会社を作り厚生年金に加入するという方法もあります。この場合、配偶者が条件を満たしていれば、第3号被保険者になることもできます。

ただし、法人設立には、当初設立のためのコストや法人住民税など、法人を維持するためのコストがかかりますので、それらも含めて総合的に検討することが必要です。

__sozai__/0012127.png遺族年金を受給できる遺族の範囲
「遺族」といっても「遺族基礎年金の遺族」と「遺族厚生年金の遺族」は範囲が異なります。遺族基礎年金よりも、遺族厚生年金の方が遺族の範囲が広くなっているのです。

遺族基礎年金が支給される対象は、死亡した国民年金加入者の「子がいる妻」か「子」となっています。遺族基礎年金は子どもに対する手当の意味合いもあり、子どものいない妻には支給されません。
この場合の子とは次の者に限ります。

  • 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
  • 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

遺族厚生年金の場合の支給対象には、以下の者が加わり、遺族基礎年金より支給される対象が広くなっています。

  • 子のない妻
  • (18歳到達年度の年度末を経過していない、または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の孫)
  • 55歳以上の夫
  • 父母
  • 祖父母(60歳から支給)

受給順位は、次の通りとなっており優先順位が決まっています(最も上の順位の者だけが受け取れます)。

  • 第1順位: 配偶者または子
  • 第2順位: 父母
  • 第3順位: 孫
  • 第4順位: 祖父母

このように遺族厚生年金は、妻や子どもがいるなど扶養している家族がいる場合、残された遺族に対して手厚い年金が支給されますので、安心のできる制度といえます。

__sozai__/0022538.png 遺族年金のケーススタディー
家族構成の設定 30歳代の共働き夫婦A夫さんとB子さんが交通事故で亡くなりました。残されたのは、1歳のC子ちゃんです。

突然両親を失ってしまったC子ちゃんの養育について、親族で話し合いが行われました。

B子さんの両親はすでに亡くなっています。A夫さんには両親(C子ちゃんの祖父母)がいますが、高齢で病気もありますので、C子ちゃんを育てることはできません。

そこで、祖父母ができる限り協力しながら、A夫さんの姉がC子ちゃんを養育することになりました。C子ちゃんは、伯母さん宅に引き取られることになったのです。

しかし、姉は独身で、仕事も持っていますし、今後結婚するかもしれません。当面、C子ちゃんは伯母さん宅に住み、祖父母の家を行き来しながら生活することになります。このような状況でのC子ちゃんの遺族年金について考えます。

__sozai__/0012127.png遺族年金の受給権
亡くなった両親は、20歳代からずっと会社に勤務し、厚生年金に加入していましたので、死亡した者の要件を満たしています。

「遺族基礎年金」を受けられる遺族とは、死亡当時、死亡した人に生計を維持されていた年金法上(18歳の年度末まで、障害等級1、2級の場合は20歳未満)の子のある妻、または子です。

「遺族厚生年金」を受けられる遺族は、死亡した人に生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫、祖父母です(妻以外には年齢要件などがあります)。

1歳のC子ちゃんには、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生しました。両親が亡くなったので、父親の死亡による遺族年金、母親の死亡による遺族年金と、ふたつの権利が発生しましたが、複数の年金受給権がある場合は、いずれかを選択します。

父親の死亡による遺族年金額の方が多ければ、多い方を選択することになります。遺族基礎年金は、792,100円。遺族厚生年金は、短期要件による計算式で計算されます。短期要件では、厚生年金加入月数を300月とみなして計算します。

__sozai__/0012127.png遺族基礎年金・遺族厚生年金の失権
失権とは、権利そのものを失ってしまうことです。いったん失権すれば、その受給権が復活することはありません。

遺族基礎年金・遺族厚生年金の失権は、死亡したとき、婚姻したとき、直系血族または直系姻族以外の者の養子になったときです。もちろん、18歳の年度末に達し、年金法上の子ではなくなったときは失権します。

C子ちゃんの場合も、祖父母、あるいはそのほかの親族、他人、いずれの人に養育されても、死亡、あるいは婚姻することがなければ、遺族基礎年金と遺族厚生年金は18歳の年度末まで受給できます。

今後、C子ちゃんが養育者と養子縁組をするとなると、遺族年金に影響が出ます。直系血族・直系姻族以外の養子になったときには、遺族年金の権利は失権します。

  • C子ちゃんが、祖父母と養子縁組をした場合
    祖父母は直系血族ですから、養子縁組をしたとしても、遺族年金は失権しません。
  • A夫さんの姉、C子ちゃんからみると伯母と養子縁組した場合
    伯母は傍系血族となりますので、失権事由である「直系血族・直系姻族以外の養子になったとき」に該当しますので、遺族基礎年金と遺族厚生年金はいずれも失権します。

伯母さんに引き取られても、遺族年金のことを考えると、年金の受給権がある間は、養子縁組は慎重に考えた方がよいということになります。

仮に、C子ちゃんが今後、祖父母に養育されることになれば、祖父母の死亡による遺族年金は、どのように孫に影響するでしょうか。祖父が亡くなったとしても、亡くなった祖父の妻である祖母が生存していれば、孫は祖父の遺族年金を受給することはありません。

しかし、祖母が先に亡くなり、そしてその後、祖父が死亡した場合、亡くなった祖父によって生計を維持されていたC子ちゃんには、祖父の遺族年金の受給権が発生することになります。

しかし、いくつも年金をもらうことはできませんので、有利な年金を選択します。これはまた別のケースですが、夫婦が離婚し、子育てが不可能になり、子どもを祖父母が育てているというケースもあります。このような場合、養育者である祖父母の死亡によって、孫に遺族年金の受給権が発生することもあります。

__sozai__/0012127.png離婚後の家庭の遺族年金
離婚後の家庭で、親が死亡し、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生したというケース。
一緒に暮していた親が亡くなり、要件を満たせば、子どもは遺族年金を受給できます。しかし、一緒に暮らしていた親の死亡後、別れて住んでいた実の親に引き取られるということもあります。

その場合、実の親と生計をともにするということになり、遺族基礎年金は支給停止となります。なお、遺族厚生年金だけは支給されます。子どもが受け取る遺族年金は複雑です。

また、子どもが受け取る遺族厚生年金には、妻に加算される中高齢寡婦加算(夫死亡時に妻が40歳以上65歳未満などの要件あり)のような加算もありません。

__sozai__/0022538.png 厚生年金保険 長期加入者の特例

  • 厚生年金保険の被保険者期間が44年(528月)以上ある人を、「長期加入者」といいます。

60歳代前半の老齢厚生年金を受けられる人で、長期加入者には「長期加入者の特例」として、手厚い給付が受けられる場合があります。この「長期加入者の特例」に気づいていない人は意外と多いと思われます。

__sozai__/0012127.png長期加入者特例の要件
老齢厚生年金の受給権者が、権利を取得した当時被保険者ではなく、被保険者期間が44年以上であるとき、「定額部分」と「報酬比例部分」を合わせた老齢厚生年金が支給されます。また、加給年金額の加算条件に該当する場合は、「加給年金額」も加算されます。

  • この特例を受けられるのは「男性が昭和16年4月2日以降に生まれた人」「女性が昭和21年4月2日以降に生まれた人」です。昭和16年4月2日以前生まれの人(男性)には、定額部分も報酬比例部分も60歳から支給されていたためこのような特例はありませんでした。

厚生年金保険の被保険者期間が44年以上ある受給権者でも、厚生年金保険の被保険者である間は、定額部分と加給年金は支給されず、報酬比例部分が在職老齢年金によって支給調整されます。

__sozai__/0012127.png長期加入者の特例該当者
60歳代前半の老齢厚生年金の支給開始年齢は、生年月日に応じて段階的に引き上げられています。定額部分の支給開始年齢が、61歳、62歳で定年年齢も60歳の間は、中学を卒業してずっと厚生年金保険に加入していた人を除いて、長期加入者の特例に該当する人が多くありませんでした。

しかし、改正高年齢者雇用安定法が平成18年度から施行され、企業に定年の引上げや継続雇用制度の導入等により、段階的に65歳までの雇用の確保を義務付けました。それにより、60歳以降も働き続ける人が増え、この特例に該当する人も増えてきました。

__sozai__/0011814.gif <例>昭和23年1月生まれのAさんが、高校卒業後就職し、ずっと厚生年金保険に加入して60歳以降は再雇用制度により現在も同じ会社に勤務していたとします。

Aさんは、64歳から定額部分と配偶者加給年金がもらえるのですが、それ以前に厚生年金保険に44年加入したところで被保険者でなくなれば、この「長期加入者の特例」により64歳より前に定期部分と加給年金がもらえるのです。

Aさんの場合、62歳数カ月で長期加入者になるので、その時点で被保険者でなくなれば、64歳より1年数カ月早く合計で約200万円の年金がもらえることになります。もしAさんが、被保険者期間が44年になる前に会社を辞めてしまったら、この特例は使えませんので定額部分や加給年金は原則どおり64歳からの支給になります。

Aさんは被保険者期間が44年になったところで厚生年金保険の被保険者でなくなればよいので、会社を退職しないまでも、働き方を見直してみることも考慮します。たとえば、勤務時間、勤務日数を一般社員より短くするなど、被保険者とならない働き方を選択するのも1つの方法です。

60歳以降、どのタイミングで会社を辞めるのが良いか考える場合、年金にかかわらず、働ける環境があるうちは働くのが老後のライフプランを考える上でも重要だとは思います。そのようなときに、「44年という被保険者期間の長期加入者の特例」を検討するのも一案だと思われます。

__sozai__/0022538.png 60歳以降の年金と雇用保険の給付金
平成18年に改正高年齢者雇用安定法における高年齢者雇用確保措置が施行され、企業は60歳以降の雇用を義務付けられました。

  • 定年の引上げ
  • 継続雇用制度の導入
  • 定年の定めの廃止

のいずれかの措置を講じなければならなくなりました。以前は、60歳でリタイアして特別支給の老齢厚生年金を受給しながら、セカンドライフを送るというのが一般的でした。ところが、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられ、最終的には65歳からしか受給できなくなっていくため、60歳以降も働いて収入を得なければならない人が多くなってきました。

企業は、段階的に65歳までの雇用を義務付けられていますが、60歳時点の条件を維持することまでは求められていません。制度が浸透してきて、最近では大幅に給与が下がって再雇用される人も多くなっているようです。

__sozai__/0012127.png在職老齢年金の支給停止
60歳以降も厚生年金保険に加入しながら受けとる年金を在職老齢年金といいます。この在職老齢年金は、60歳代前半と後半では支給停止の仕組みが異なります。

60歳代前半の場合、受給できる年金額と総報酬月額相当額(標準報酬月額+直近1年間に支払われた賞与÷12)の月額合計が28万円をこえると、こえた額により調整が行われます。総報酬月額相当額のなかには、直近1年間に支払われた賞与も含まれます。

そのため60歳時には、給与が大幅に下がったにもかかわらず、年金が支給停止になってしまう場合もあります。これは、60歳前の賞与の額が大きかったためです。

支給停止になる年金は、毎月の総報酬月額相当額等によって計算されるため、60歳以降、賞与が支給されなくなったり、賞与の額が大幅に下がったりした場合には、年金が支給されるようになることもあります。「どうせ全額支給停止になるなら、退職してから手続きをする」という人も多く見られます。

先に述べたように、60歳時には受け取れなくても年金の手続きさえしておけば、毎月の総報酬月額相当額により、一部でも支給されるようになると自動的に指定した口座に振り込まれてきますので受給権が発生したら、すぐに裁定請求の手続きはしておきたいものです。

__sozai__/0012127.png高齢者雇用継続給付と老齢厚生年金
雇用保険からは、高年齢雇用継続給付が支給される場合があります。これは、雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある人が、60歳以降の給与が60歳時に比べて75%未満に下がった場合、最大60歳以降の給与の15%が受給できるというものです(上限があります)

給与の低下率が61%未満のときは、給与の15%が支給され、61%以上75%未満のときは、15%〜0.44%までの間で支給されます。給与と高年齢雇用継続給付の合計が33万5316円(平成21年8月〜)をこえるときは、33万5316円から給与の額をマイナスした額が支給されます(支給対象月の給与が33万5316円以上の場合は、給付金は支給されません)。

この高年齢雇用継続給付が受給できるとさらに、年金からは最大、標準報酬月額の6%が支給停止されます。このように60歳以降の収入は、給与と在職老齢年金、高年齢雇用継続給付の合計となります。

__sozai__/0022538.png 限度額適用認定証と高額療養費制度
病気やケガで入院をすると、結構お金がかかるものです。高額療養費の支給申請をすれば、あとから自己負担限度額を超えたお金が後から戻ってきますが、医療機関の窓口では一時的にせよ、3割の自己負担分を支払わなければなりません。

  • ところが、限度額適用認定証を提示すれば、窓口での支払いが自己負担限度額までとなります。

この制度は平成19年からあり、限度額適用認定証の交付は入院に限られていましたが、平成24年4月1日からは、外来の診療にも使えるようになりました。

高額の外来診療を受けた場合も、入院と同じように医療機関の窓口で限度額適用認定証を提示すれば、自己負担限度額を超える分は、支払う必要がなくなります。また、保険薬局、指定訪問看護事業者についても、同様の取り扱いを受けることが可能となりました。

限度額適用認定証は、自営業者等が加入する国民健康保険なら市区町村、主に中小企業の社員が加入する協会けんぽなら都道府県支部、大企業の社員なら会社の健康保険組合にそれぞれ申請をします。

ただし、入院や外来受診先の医療機関が決まっていない、あるいは入院予定期間が決まっていない場合などには、申請書に有効期限が記載できないために申請できないこともあります。

また、国民健康保険の場合、保険料の未納があると交付してもらえないこともありますので、それぞれの市区町村での確認が必要です。申請をすると限度額適用認定証が交付されますので、医療機関の窓口での支払い時には、保険証とともに提示をします。すると医療費が高額となっても、自己負担限度額までしか請求されません。

__sozai__/0012127.png 高額療養費制度

<70歳未満の人が医療機関に入院をして、100万円の医療費がかかった場合>
この場合、窓口で負担するのは、3割の30万円です。ところが所得区分が一般であれば、自己負担額は上限額の87,430円で済み、高額療養費を申請することによって、あとから差額の212,570円が戻ってくるのです。
80,100円+(1,000,000円−267,000円)×1%

  1. 医療機関に自己負担分30万円を支払います。
  2. 協会けんぽなどに払い戻しを申請します。  
  3. 協会けんぽなどから高額療養費212,570円が払い戻されます。
    実際には、申請後還付されるまで2〜3ヵ月のタイムラグが生じます。そこで、事前に限度額適用認定証の交付を受け、医療機関の窓口に提示することで、支払いが自己負担限度額までで済むことになります。
    なお、自己負担限度額は、年齢や所得区分によって異なります。

高額療養費制度で気をつけたいポイントは、対象となる医療費の合計が「一医療機関の暦月(月の初めから終わりまで)の医療費」だというところです。

上述の例では、仮に4月1日〜30日までの1ヵ月の医療費が100万円の場合に適用されます。
しかし、3月の途中から4月の途中まで入院した場合は、合わせた金額が100万円だったとしても、それぞれの月ごとに計算されますので注意が必要です。また、高額療養費の支給を受ける権利は、診察を受けた月の翌月初日から2年で消滅します。

__sozai__/0022538.png 介護休暇制度
総務省の「就業構造基本調査」(平成19年)によると、家族の介護や看護を理由とする離職者(転職者)数は、平成14年の約9.3万人から平成18年には約14.5万人へと増えており、5年間で1.57倍になっています。

しかし、団塊世代ジュニアが親の介護に悩む時代がそこまで来ているにもかかわらず、国が法律で定めた介護休業の利用は進んでいないようです。

__sozai__/0012127.png介護「休業」
介護休業とは、労働者が要介護状態にある家族(配偶者、父母、子、配偶者の父母など)の介護を必要とする場合、申し出ることにより休業できる制度です。対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算93日まで休業または勤務時間短縮等の措置を受けることができます。

この介護休業の期間(93日)には、ハローワークへ申請することにより、介護休業給付金(賃金の40%)を受給することができます。

介護休業のポイントは要介護状態で、介護保険の要介護度とは異なり、「負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」をいいます。また、パートなどの有期契約の労働者であっても、雇用保険に加入し1年以上雇用されるなど、所要の条件を満たしていれば取得が可能です。

__sozai__/0012127.png介護「休暇」
平成22年6月30日に施行された育児・介護休業法の改正により、介護のための短期休暇制度として、介護休暇が創設されました。1年度に要介護状態にある家族の介護もしくは世話のため、5日間(対象家族1人の場合)の休暇を取得することができ、会社は拒否することができません。

介護休業と異なるのは、世話のために取得できる点です。世話とは、病院への付き添いや介護サービスを受けるために必要な手続きの代行などです。また、パートなどの有期契約の労働者について、別途要件が課されていない点も挙げられます。ただし、労使の書面による協定で、介護休暇を取得できない労働者を定めることはできます。

一般的に介護休業は、ある程度長期間にわたって介護が必要な時に利用しますが、介護休暇を利用すれば、訪問介護員(ヘルパー)が来られない場合など、短期間の介護に利用することができます。

ただし、従業員が100人以下の企業は、改正された育児・介護休業法の一部規定の施行が、平成24年7月1日からと猶予されています。

__sozai__/0012127.png介護の問題点
厚生労働省「平成22年国民生活基礎調査」によると、要介護度別の介護にかかる時間について、要介護5で5割以上の介護者が「ほとんど終日」と回答し、半日程度まで含めると7割以上になります。

要介護度が上がるに従い、介護にかかる時間が増加する傾向にあり、要介護1でも1割以上の介護者が終日かかると回答しています。

さらに、介護にはお金がかかります。収入が多くあれば、自己負担で介護サービスを追加できますが、少ない場合は自分でやらなければなりません。もし、介護のために仕事を辞めれば、介護の負担と収入の減少が重なることになるのです。

介護休業の取得は、介護者の状態が変化しない限り1回のため、最初に長期で取得するとよいでしょう。もし、仕事が心配であれば、途中からは勤務時間短縮等の措置を選択して出社、退社を1時間ずつ短縮する方法もあります。時々、妻やヘルパーと介護を代わる場合は、有給休暇を取得する方法があります。

ただし、有給休暇は繁忙期等には会社が断れるため、急に休まなければならないときは、介護休暇の取得が考えられます。また、気を付けたい点として、職場への気配りが挙げられます。介護で今までのように働けない場合、職場に迷惑がかかるため、自分の状況をオープンにして、支援・理解を得ることが時には必要となります。


__sozai__/0022538.png 国民年金の上乗せ制度(国民年金基金・国民年金付加年金)
厚生年金(さらには厚生年金基金)に加入しているサラリーマンなどの給与所得者と、国民年金にだけ加入している自営業者など国民年金の第1号被保険者では、将来受け取る年金額に大きな差が生じることがあります。

この年金額の差を一部解消するため、「国民年金基金」制度が平成3年4月に創設されました。これにより、第1号被保険者でも、公的年金で「二階建て」を選択することが可能になりました。

国民年金基金の掛け金は負担が大きいという場合、月々400円で上乗せできる、「付加年金」制度への加入という選択肢もあります。年金受取額の増加はそれほど多くありませんが、掛け金に比して有利な給付を受けられる制度です。

__sozai__/0012127.png国民年金基金
国民年金基金は、厚生労働大臣の認可を受けた公的な法人で、47都道府県に設立された「地域型基金」と25の職種別に設立された「職能型基金」の2種類があります。

  • 地域型国民年金基金は、平成3年5月に全国の47都道府県で設立されました。地域型基金に加入できるのは、同一の都道府県に住所を有する国民年金の第1号被保険者です。
  • 職能型国民年金基金は、25の職種について平成3年5月より順次設立されました。職能型基金に加入できるのは、基金ごとに定められた事業または業務に従事する、国民年金の第1号被保険者です。

地域型と職能型の2つの形態が設けられていますが、それぞれの基金が、同一掛け金、同一給付を行います。なお、加入する場合はいずれか一つの基金にしか加入できませんので、加入する人が選択することになります。

掛け金は、全額「社会保険料控除」の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。民間の生命保険会社の個人年金は、所得税で年額5万円(平成23年時点)までの所得控除なので、その点は有利といえます。

最高で816,000円(68,000円×12ヵ月)の所得控除が可能(下記、掛け金の上限を参照)となります。例えば、課税所得金額400万円で、国民年金基金の掛け金が年額30万円の場合、所得税税率20%で計算すると、約6万円軽減されることになります。

月々の掛け金は、68,000円(確定拠出年金に加入の場合は、国民年金基金と確定拠出年金の掛け金の合計が68,000円)が限度額となります。

国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・若年者納付猶予を含みます)されていた人が、免除期間分の保険料を全て追納したときは、追納された期間に相当する期間(ただし、最高5年間まで)で、掛け金の上限が月額102,000円になる特例があります。

加入は口数制で年金額や給付の型を自分で選択することができます。自分が何口加入するかによって受け取る年金額が決まります。給付の型は、終身年金A型・B型、確定年金I型・II型・III型・IV型・V型の7種類があります。

__sozai__/0012127.png国民年金付加年金

国民年金付加年金(付加年金)とは、国民年金の第1号被保険者と65歳未満の任意加入保険者を対象とした公的年金制度で加入は任意ですが、国民年金の納付が前提となりますので、未納者や減免措置を受けている人は加入できません。

  • 重要なポイントは、国民年金基金の一口目には、すでに付加年金相当分が含まれているため、国民年金基金加入者は、付加保険料を納付することが認められていません。
  • 確定拠出年金加入者の場合、付加年金に加入することはできますが、掛け金の上限月額が合わせて68,000円であるため、確定拠出年金の掛け金が月67,000円までとなり、上限が1,000円マイナスされます。
  • 「付加年金は」20歳から60歳までの間、いつでも加入することができ付加保険料は毎月400円の定額です。国民年金は前納すると割引になりますが、付加年金も前納すると割引が適用されます。
  • 「付加年金は」65歳から終身で受け取ることができます。年間受取額は、「加入した月数×200円」です。1年加入につき、付加保険料は年4,800円、年金受取額は年2,400円です。インフレを考慮しない単純計算では、2年間受給することで、支払った付加保険料を回収できることになります。また、国民年金同様、繰り上げ給付や繰り下げ給付が可能ですが、その場合、受取額も増減します。
  • 「付加年金」には物価スライドがありません。受給額は固定のため、インフレになると、受け取る年金の実質的な価値が目減りするリスクがあります。しかし、逆にデフレの場合は、物価スライドがないことが有利になるといえます。
  • 付加保険料は「社会保険料控除」の対象のため、全額が所得控除されます。 所得税、住民税が軽減される点は、国民年金基金と同様です。国民年金の第1号被保険者は、国民年金基金へ加入することで、所得税を軽減しつつ老後に備えることができます。

 

国民年金基金の掛け金の負担が重い場合には、この付加年金加入も選択枝のひとつになります。

 

All articles are reffering to FP journal


 

                  

ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
ご連絡は、お電話または下記のご予約フォームよりお願いいたします。

 
お電話でのご連絡はこちら
0465-46-9222

受付時間 : 9:30〜18:00(日,祝祭日は除く)

担当 : 小泉(こいずみ)

 

フォームよりご連絡いただいたお客様には、3営業日以内にこちらから改めてご連絡させていただきます。

  許認可申請サービスのトップページはこちらへ

▲このページのトップに戻る